此病気は、身体の全部又は一部に発疹し、多くは紅潮を呈し、又、非常に痒いのであります。よく腸が原因と謂はれてゐますが、之は誤りであります。其証拠には、如何に腸を治療するも、其効果は無いに見ても明かであります。
私の研究によれば二種の原因があります。一は、麻疹の毒素が残存してをり、それが浄化作用に依って発疹するのと、二はカルシュウム注射の中毒に由るのとあります。実験上、カルシュウム注射をして、早きは一、二年後には例外なく発疹するので、近来非常に多いのであります。
従而、此患者にはカルシュウムの注射の有無を訊く事を忘れてはならないのであります。本療法によれば、どちらも容易に治癒するので、普通一週間位、重症で二、三週間位と思へばいいのであります。其他種々の皮膚病がありますが、大抵は一、二週間で全治するのであります。」 (「蕁麻疹」療講 S11.7.)
「「又蕁麻疹であるが之も勿論薬毒であって、カルシュームの中毒が断然多く、その際考えれば直にそれと分るが、不思議にも分らないとみえて、腸が原因などという。察するに魚肉中毒の場合、蕁麻疹的症状が出るので、之と混同したのであらうからナンセンスである。そうして魚肉の方は放っておいても二、三日で治るが、カルシュームの方は数ケ月或ひは数年も掛かる人さへある。
之に就てよくカルシュームには骨の成分があるから、育つ盛りの幼児などに可いとしてゐるが実にナンセンスである。といふのはカルシュームのない時代、菜っ葉や米だけ食って漁夫や農民など、骨太で立派な体格であるのはどういう訳か訊きたいものである。」
(「薬毒(二)」療講
S11.7.)
(※「薬毒(二)」医革 S28.も類似)
「(中略)カルシュウム中毒以外の場合は然毒が陰性化されたる為、変形的天然痘となって、一種の蕁麻疹的症状を表はすのである。又、食物の中毒による事もある。之は一日乃至三日位にて必ず治癒するのである。」 (「蕁麻疹」医試 S14.)
「(中略)掻痒病として、最も一般に知られてゐるものは彼の蕁麻疹(ジンマシン)である。此病気の原因の殆んどはカルシュウム注射である。此注射を行った者は必ず多少の蕁麻疹発生を見るのである。注射後早きは一年位、普通二年三年、長きは五六年を経て現はれるものである。然るに、医療は蕁麻疹を治療する場合、カルシュウム注射を行ひ、一時は多少の効果はあるが、時を経て必ず再発するのである。
元来中毒的症状に対しては、その中毒の原因である薬剤を用ふるに於て、一時的効果はあるもので、彼のモヒ中毒患者が、モヒによって一時的苦痛を免れるといふ事と同様で、これは誰も知る処である。故に蕁麻疹は、薬毒が浄化作用によって、皮膚面から排除せられるのであるから、或期間苦痛に耐えて、放任しておいても治癒するものである。そうして蕁麻疹の症状は人によって種々あるが、何れも掻痒苦が伴ふから判り易いのである。又、アンチピリン中毒、或種の注射薬等に因る事もあるが何れも自然に治癒するものである。
次に、蕁麻疹に似而非(ニテヒ)なるものに、一種の発疹的病気がある。蕁麻疹の粟粒的なるに対し、之は粒状が稍々大きく、重症は豆粒大のものさへある。之は、軽症は局部的であるが重症は全身的に及ぶものもあり、掻痒苦甚しく、絶えず稀薄なる膿汁を排泄し、稀には、膿汁が局部的に集溜腫脹するものさへある。そうして経過は頗る長期間に渉り、早きは半年位より、長きは数年に及ぶものさへある。最重症患者に於ては、苦痛のあまり自殺を想ふものさへあるといふ、実に怖るべき疾患である。そうして治癒後と雖も、多くは局部的に残存し、全治する迄に数年を要するものである。
此病原は全く陰化然毒であって、真症天然痘が急性であるに対し、之は慢性天然痘ともいふべきもので、種痘の為浄化を弱められたる結果である事は勿論である。故に、重症患者の最盛期に於ける皮膚面をみれば、天然痘に酷似してゐるのである。
次に、魚類中毒に因るものに、蕁麻疹的症状がある。これは、局部又は全身的に紅潮を呈し、発熱、発疹、掻痒苦があるが、二三日で必ず治癒するのである。これ等は勿論、食餌中毒で、腸に関係があるが、之を誤って、医家はカルシュウム中毒による蕁麻疹へ対しても、原因は腸にありとなし、腸の療法を行ふが、的外れであるから、何等の効果はないのである。」
(「掻痒苦」明医二
S17.9.28.)
「(中略)蕁麻疹にも種類があり、普通は無数の微粒が皮膚面に表はれるが、斑点、地図型等のものもあり、最初は紅色を呈するが、治癒するに従ひ黒色に変ずるのである。勿論紅色時掻痒苦があり黒色になるに従ひ掻痒苦は消滅する。
(中略)次に、或種の注射及びアンチピリン中毒、魚肉中毒等何れも蕁麻疹的症状を呈するが、之等は一時的で軽きは一二日重く共数日にして治癒するのである。但しアンチピリン中毒のみは予後黒色の斑点を貽(ノコ)しそれが数年に及ぶものさへある。」
(「掻痒苦」天 S22.2.5.)
「(魚類等を喰べて自家中毒を起し、蕁麻疹的症状になる人がありますが・・・)
之はね、自家中毒といふのが変なので、若しそんなのがあるのなら、他人からの中毒といふのもあっていゝ筈です。之は食物中毒の事ですね。多くの場合、赤い肉の魚で蕁麻疹になりますが、之に罹ると赤い「ブツ」が出来、かゆくて熱も出ます。
御浄霊をすれば一昼夜で治ります。本当の蕁麻疹は之とは一寸違ふんですが、医者はこの二つをごっちゃにしてしまうのです。本当のはカルシューム注射の為ですが、医者は之が判らないので又カルシューム注射をするのです。」 (「御光話録3号」 S24.1.18.)
《浄霊》
肩、腎臓、患部。