「(中略)脚気の注射であるが、之もそれに依て全治したといふ例を聞いた事が無い。そうして、理論上から言って、薬剤注射を以て治癒する筈は決して無いのである。何となれば、脚気の病原としては、一種の毒素が極浅い皮下一面に滞延するのであるから、此毒素を解消せしむるより外は無いのである。
然るに、此毒素は全く医家の言ふが如く、白米中毒である。白米中毒の原因は、糠を絶無ならしめたのが原因であるから、糠を服用すれば、最も簡単にして費用を要せず、全治するのであるから、何を好んで薬剤や注射の如き、苦痛と手数と費用を要するの必要ありやである。然し我療法に由れば、普通は二、三回重症にても十回以内にて全癒するのである。
之に就て大いに注意すべき事柄がある。それは、多くの医家は、白米中毒の脚気と、腎臓萎縮の為の尿毒によっての類似脚気とを混同してゐるといふ、診断の不正確が多い事である。之は全然別箇の病症であって、此差別の不知な為に、恐るべき結果をさえ来す例が屡々あるのである。」 (「注射」医書 S11.4.13.)
「此病気は、軽症に於ては膝から下、所謂、脛の辺りの麻痺でありますが、重症となるに従って掌、特に拇指近き部分及び脣等にまで及ぶのであります。但し、婦人にある産後の脚気は右とは異って脚部全体から腹部及び乳の辺りまで麻痺するのであります。原因は医学で唱える如く、前者にあっては白米中毒であり、後者にあっては、出産に由る残存悪露が浄化作用によって皮膚面へ滲出するのであります。本療法によれは、一週間乃至二週間位で全治するのであります。
前者の脚気に対しては、普通の米糠を煎って食事の度毎匙一杯宛飲めば「有効」であります。
次に、腎臓の尿毒に因る、擬似脚気ともいふべき症状があります。之は寧ろ真の脚気よりも多い位で、吾々の所へ脚気と言って来る患者が、実は脚気ではなく之が多いのであります。
此症状は殆んど麻痺はなく、脚部全体が重くて、歩行は稍々困難で、多少の痛み又は浮腫があるのであります。稀には軽症の腹膜炎が原因である事もあります。
本療法によれば一、二週間で全治しますが、治療の場合腎臓部及び腹部を充分施術しなくてはなりません。」
(「脚気」療講 S11.7.)
「此病気は、誰も知る如く、脚及び手、口脣等の麻痺である。特に脚部に於ては、膝から下の内側である。手は、掌の拇指の付根の辺である。口脣は下脣である。之が真症の脚気であって、非脚気は、脚気と誤診さるる事も多いのである。例へば、膝のガクガクするとか、脚の重いとか、力が無いとかいふ如き症状は、脚気ではないのである。
原因は、真症の脚気に於ては医学で唱ふる如く、全く白米中毒であるから、近来の如く、七分搗又は半搗米なら起らないのである。近来脚気の激減するのは之の証拠である。又西洋の脚気のないのにみても瞭かである。
前述の脚気に非ざる脚気、之は如何にといふに、腎臓の尿毒が脚部へ下流して溜結する場合と、腹膜に集溜せる尿毒が下流する場合と、注射等の薬毒が脚部に溜結する場合等であって、それが浄化作用の為の微熱によって重倦く、ガクガクやフラフラは、毒血が筋肉の運動を妨げるからである。(中略)」
(「脚気」医試 S14.)
「此脚気も、日本人特有の病気であって、原因は、医学で唱ふる如く白米食である事は言ふ迄もない。故に療法としては、最も簡単なのは七分搗(ヅ)きの米食になし、副食物を成可く多く摂るやうにすれば速かに治癒するのである。
又、他の方法としては米糠を食後、茶を飲む時に、普通の匙(サジ)に一杯乃至二杯づつ服めば、大抵は一週間位で全治するのである。其際、米糠は煎る方が香ばしく、飲み易いのである。脚気の麻痺は、私が掌で十分乃至二十分位擦っただけで、大抵は治癒するのであるにみても、最も治り易い病気である。」
(「脚気とバセドー氏病」明医二
S17.9.28)
「脚気も日本人特有の病気で、原因は医学で唱ふる如く、白米中毒である事は間違ひない。故に療法としては糠を、食後茶を飲む時、普通匙に一杯位服用すれば、大抵は一週間位にて全治する。又副食物を多く摂る事も効果がある。(中略)
真症脚気の特徴としては膝下前面内側、俗に向ふ脛の反対側と掌の拇指の付根及び下唇の三個所の麻痺である事を知っておくべきである。誤診に因る擬似脚気は、原因は腎臓の余剰尿及び注射の薬毒等である。本施術によれば真症脚気は二三回、擬似脚気も数回にて全治するのである。」 (「脚気とバセドー氏病」天 S22.2.5)
「(中略)脚気の浮腫は膝下(シッカ)に限るとみていいので、医診は足部に浮腫さへあれば無差別的に脚気と断定するが、軽率も甚しいのである。」 (「浮腫及び盗汗」天 S22.2.5)
「(中略)餡とは便秘や脚気などに好いとしている小豆を煮て、それを布で濾して、砂糖を入れよく煮たものでこんな良いものはないのである。」 (「幼児の食物に就て」救51号 S25.2.25.)
「(中略)薬毒は最初腎臓に集まって、腎臓が薬毒を処理する所です。ところが僅かしか出ないで、それが肩に行って固まるのです。それで肩に行って固まる時と、それが腰に行って固まる事があります。
それはその人の職業によるので、手を使ったり根(コン)をつめたりすると肩に固まるのです。それから農業をする人は非常に腰を屈折したり、坐る仕事でも腰に力を入れる人は腰に集まります。そうして腰に集まったものが少しずつ溶けて足に流れて行き、そこで足が悪くなるというわけです。脚気というのはそういうわけです。」
(「御教集24号」 S28.7.5.)
「脚気は脚の内側が痺れる。(中略)脚気は白米中毒故小僧等に多い。おかずを沢山くふとか、蕎麦などくふといい。」
(「御講話」未 年代不詳.)
「(中略)漢方薬が下へ下りてくる。それが前とか後ろとかへ溜る。溜って固まったのは冷えやすい。その浄化が起るのが子宮病で、熱が出る前に局部的悪寒になる。腹膜の薬毒が溶けて下りるのが白帯下である。女は知っていた方がよい。腹膜のない人はない。腹には必ず毒が溜っている。薬を服んだ人は必ず腹膜がわるい。それが原因で卵巣とか子宮癌、痔、足痙(ツ)り、脚気等になる。
下半身は浄霊すると治りいい。固まるのが少い。ハケ口に近いせいである。一番集るのは腎臓で、薬毒が腎臓附近に凝っている。飲み薬は腎臓へ来、外へ滲(シ)み出て固まる。その為小便の処理が出来ず、幾分溶けて下へ下りる尿毒が溜り、漸次背中の方へ溜る。」
(「講話集補」
S24.11.19.)
「(脚気乳(乳児色便)の原因・・・)乳児脚気などというが、之は間違っている。薬毒である。母乳の薬毒が多い。青便や泡便など、みなそうである。」 (「講話集補」 年代不詳.)
「(中略)本当は脚気らしいから、匙一杯づつ糠を煎ってお茶飲む時食ふといい。
脚気は下唇が痺れる。手は拇指の内側が痺れる。足は膝から下、内側から甲へかけて痺れる。これは本当の脚気である。」
(「講話集補」 S23.10.26)
《浄霊》 患部、腹部、腎臓、