E-③ 胃 病             ③-1,消化不良と胸焼
「(中略)先づ初め、胃の外部即ち心窩部(シンカブ)に、水膿(余が命名)が溜積せられ、其溜積が時日を経るに従ひ、自然に硬化し、夫に胃が圧迫さるるのである。圧迫された胃が漸次縮小をなし、胃の抱擁力が阻害さるる結果、食物の量が減少するのは当然の事である。

 

 又、夫が為、胃の運動も少からず、妨げらるるを以て、少量の飲食にても満腹をしたり、少時間にて空腹になり、或は、消化不良を来すのである。此時の療法としては、其水膿溜結を解消排除すれば、胃は圧迫より脱れるから、胃の容積も還元し、全治する(中略)

 

 

 胃痛の原因としては右水膿溜結は多くの場合、心窩部の上部辺に又は縦の棒状に硬結する性質を有するのであって、患者が満腹する時、胃の膨張に依って右硬化物を、自然圧迫する。夫が痛みを感ずるのである。又、右硬結は、不純物であるから其部に軽微の発熱をなし、是が、胃に感じて胸焼けとなるのである。(中略)」

                             (「胃病」日本医学の建設(二)  S10.5.21.)

 

 

 消化不良の原因は、先天的には然毒、後天的には尿毒、薬毒及び食事の方法の不適正等によるのである。そうして初め、右の然毒又は尿毒が胃の外部に集溜し、それが漸次固結となって胃を圧迫する為、胃は萎縮して活動が遅鈍となり、消化不良となるのである。

 

 

  次に、今一つの原因である食事の方法の不適正とは、近来、医学が唱へる食物の量と、食事の時間を規則正しくせよといふ事で、之が非常な誤りである。何となれば人間は機械ではないのと、食物なるものは不同であるからである。それはどういふ訳かといふと、食事と食事との間の時間中、運動をする事もあれば、運動をしない事もある。それによって食物の消化に差異が生ずるのは当然である。

 

 又、食事に於ても、其種類によって、消化に遅速あり、一時間で消化する物もあれば、三時間以上費す物もある。故に、規則正しくするに於ては、食事の時、空腹である事もあれば、未だ空腹にならない事もある。空腹ならば食欲旺盛で消化は良好であるが、未だ食欲が起らないのに、時間であるからといって無理に食物を摂れば悪いに定まってゐる。

 

 それは、前の食物が停滞して居る上に、新しく食物を入れる場合、前の食物は腐敗醗酵してゐるから、その毒素の為に、新しい食物の消化は、妨げられるのである

 

 而もそれが又消化しきれない内に、又時間が来たといって仕方なし食ふといふ具合で、漸次消化不良となるのである。故に正しい食事の方法とは、前の食物が充分消化し尽してから食事をとるのである。そうして、前の食物が消化したか否かは、食欲といふいとも正確な指針があるから間違ひないのである。

 

 

 故に空腹即ち食欲があれば食ひ、なければ食はないといふやうにするのが本当である。従而、正しい食事法とは食ひたい時に食ひたいものを、食ひたい量だけ食ふ-といふ、言はば自然である。そうして食ひたいと思ふ物は、其時何等かの必要上、身体が要求してゐる為であるから、それを食へばいいのである。又量も同一の意味で、必要なだけ即ち食ひたいだけ食ふべきである。

 

 

 

又、食ひたくない物を薬になるとか、栄養になるとかいって我慢して食ふのも間違であると共に、食ひたい物を我慢して食はないのも不可である。又食欲があるのに喰べ過ぎるといって中止するのも不可であり、満腹して食欲がないのに、無理に詰込むのも勿論不可である。要は飽迄自然でなければならないのである。

 

  然し、右の方法が良いからといって、境遇上、何人も行ふ訳にはゆかないので、食事時間の一定してゐる人は、其場合、量によって加減すればよい訳である。そうして食物は、空腹でさへあれば、如何なる物も美味であり美味であれば、栄養満点である。故に、右の如き食事法を実行すれば、消化不良など絶対あり得べき筈がないのである。」         

                                    (「胃疾患」明医二  S17.9.28)

                                          (「消化不良」医試  S14.類似)

 

 

 胸焼-之は胃の附近にある毒素に対する浄化作用の微熱である。」           (「消化不良」医試  S14.)

                                     (「胃疾患」明医二  S17.9.28類似)

 

 

 「最初は消化不良、胸焼、胃痛等の軽い症状であるが、それ等の原因は胃の外部に溜結せる毒素の圧迫であって、それよりもそれを治癒せんが為の消化薬服用と消化し易い食餌摂取が問題である。それ等の方法は一時は有効であるが、連続するに従ひ終に胃の弱化を促すのである。従而復服薬する。弱化するといふ訳で、遂に消化薬を放す能はざるに到り慢性症となるのである。」(「胃疾患」天 S22.2.5.)

 

 

 

「(中略)それから胃の悪い人、特に消化不良には素晴らしい効果があります。胃をやるよりか、かえって肩を柔らかくした方がよいのです。それからみんな頸の廻りに固まりがあります。これがいろんな病気の原因になりますが、これは一旦肩に固まった物が頸の方へ行くのですから、肩をやると頸の廻りの固まりも非常に溶けやすくなります。ですから肩こそあらゆる病気の急所です。」

                                               (「御教集24号」S28.7.6.)

 

 

 

《浄霊》

 

 

 

 肩、背中の両側、肋骨末端部、横からもする、腹の中心線、

 

 

 

 臍のまわり、心窩部の上部辺又は縦

 

 

 

  ※ 特に消化不良は食生活の改善も必要