B-10-1、稲と苗関連
「陸稲もいけない」
「陸稲は違う訳ですか」
陸稲もいけないんです。やつぱり水田が本当なんです。だから陸稲は今年は随分やられてます。やつぱり畠は麦と野菜に定まつているからね。人間は理窟でやろうと言うので、違つているんです。反つて理窟は悪くても実際は良いんです。全て――やる事する事――都合なんです。一切はちやんと定まつているんですからね。それを乱すから、うまくいかないんです。(後略)
(御垂示録2号 昭和26年9月8日)
「男稲、女稲について」
「男稲、女稲と区別が御座居ますが」
そうです。全てのものに陰陽がある。
(御垂示録1号 昭和26年8月5日)
「稲作は晩稲(オクテ)か早稲(ワセ)か」
【お伺】毎年だんだん暖くなる様ですが、今年の稲作は早生稲が宜敷いでしようか。晩生稲が宜敷いでしようか。
【御垂示】そんなに気候は違わない。どちらでもよい。その土地によりその気候の違いさに合せてやればよい。暖い所では二毛作でよい。だんだん暖くなるのは人間の住む場所が広がつてゆくからで、人間がふえると暖かくなる。北海道等も以前よりずつと暖かくなつてきた。之は人体から発散する熱の為で、之は大した物である。人間が住むやうになるに従い暖くなる。今に南極北極に人が住む様になる。陸地の発見は氷が溶けるためである。又地殻の収縮により海が深くなり、海が深くなると川が浅くなつてくる。然しいくら川は浅くなつても、南極北極の氷がとけて海水になつてゆくから涸きつきりにはならない。
(「教えの光 気候の暖化と植付」昭和26年5月20日)
“私は毎年水田と乾田をやって居りますが、昨年は肥料を配給になっただけやり、御浄霊致しました所、二斗三升の増収でした。本年は無肥料栽培でやらうと思ひますが晩稲(オクテ)がいゝか早稲(ワセ)がいゝかに就て御教示下さい。
“これはその土地と気候によって違ひますからね、そこで長い間やってる人に聞いてみるより仕方がないですね。無肥料でやると、最初伸びる時は成績が悪いですが、これは煙草や酒を飲んでる人が急にやめると、暫くは精がつかないのと同じで、肥料中毒になってゐるんですから心配したもんぢゃありませんよ。半(ナカバ)頃から土の本当の養分を吸ふ様になりますから、どんどん元気づいて伸びて来ますよ。
(御光話録9号 昭和24年)
「早播きと遅蒔きについて」
“謹しんでお伺ひ致します。昨年十月上旬に小麦を蒔付けたものですが、現在八寸位徒長しています。私の地方では大体十月下旬頃より蒔きかかるのが普通ですが、妻の出産の関係で早く蒔いてしまったためです。肥料は基肥として人糞尿を二回程しましたが、暖冬のため意想外に延びました為、手入れ法としては土入等を行ふ外、浄霊も行はさせて頂いていますが、果して収穫があるでせうか。
“糞尿を二回も施した為である。蒔付けは早すぎても遅すぎてもいけない。然し早く播いたよりは遅く蒔いた方がよい。私も二、三年前から試しているが、枝豆など遅い方がよく穫れる。伸びは気候と合っている。土入れはよい。
(「早播きと遅蒔き」S24・1・26)
「静岡県は中稲」
“私の土地は大体砂土の田地で、二毛作地帯ですが、稲を作るのに平年作は中稲(ナカテ)が大体よく取れますが、本年はどう言うのがいいでしょうか。
早稲、中稲、晩稲がいいかご教示下さい。無肥料耕作は初めてであります。
“静岡県あたりは中でよい。気候が中だから。その土地の経験者に聞くといい。砂地は富士火山灰の為である。
(「静岡県は中稲」年代不明)