〔参考文献3〕信者の声

 

その1     水晶殿に大御神光を拝して

 

新潟県中蒲原郡亀田町高山 光陽中教会 庭山石松(41)
 明主様、日々の御守護謹みて御礼申し上げ奉ります。この度水晶殿に御遷座の当日、有難くも尊き大御神光を拝ませて戴きました御報告をさせて戴く御許しを、御願い申し上げ奉ります。
 昭和二十九年十二月十一日、水晶殿に御遷座の御出迎えの御許しを戴いてメシヤの神様と現れ給いて絶対無限の御威徳を、畏くも愈々尊く御強く四海に普く及ぼさせ給う有難き今日の佳き日に御許し戴けた幸福に、打震いながら
 「水晶に 磨き浄めて 水晶殿 昇らせ給ふ 時近みかも」と
御奥方様が、秋季大祭に御詠み下されたその時がいよいよ今日となったのだと思うと、ぐっと胸にせまるような思いに、一刻々々を数えつつ、熱海地上天国躑躅山の前に高鳴る胸を抑えながら、御車を御待ち申し上げていたのでございます。午後一時三十五分頃、両側に整列した信者さん方の最敬礼のうちに、御車は静々と水晶殿に向わせ給うたのでごぜいます。
 明主様を、今日の目出たき佳き日に目のあたり御出迎えさせて戴けた感激に、何時までも聖地を去り難く、佇むうちに、躑躅山と笹山の合目に釘附けにされたような感じで、ゆき難く去り難く、水晶殿を拝しておったのでございます。この場所は水晶殿の清明瀟洒な円形と、メシヤ会館の晴麗端正な稜角を、同時に見上げることの出来る恰好の所でございました。
 美わしく清々しき眼のあたりに拝み申す水晶殿に、今こそ明主様は御出座遊ばしてましますと思うと、プラスチックの御内側の様はわかねど、諸先生方が御面会を戴く御模様を御想像申し上げて、礼拝させて戴いていたのでございます。
 奇しくもこの時大御神光を拝させて戴いたのでございます。プラスチックの区切(柱と柱の間)の左から二番目のその下部に、白い靄の如きものが静かに静かに盛り上り ―― 丁度雲は山の岫出づるとかそれにも似て ―― 次々に金色に変じて参りました。「アッ御光だ!御光だ!」と並居る信者さん方が叫ばれました。恐れ多くも、思わず目を見張ってジッとみつめておりますと、確かに御光に間違いない、私には初めて拝す御光でございます。いろいろ御光については信者さんの御話にお聞きはしていましたが、自分自身この目で拝ませて戴くことは初めての為、じっと拝見させて戴いておったのでございます。ところが次第に盛り上った金色の御光は、遂にプラスチックのその区切に一杯に拡がり ―― 丁度デパートの飾窓に一杯あふれた如くに ―― 水晶殿の内部に巨大な金色の柱が打樹てられ、丁度龍巻を高速度写真でみるが如くで、静かに静かに、極めて緩やかに、併し力強く躍動していると感ぜられたのでございます。
 すると他のプラスチックの区切にも、次第に白い靄状のものが下辺より盛り上り、それが上昇するにつれて下辺より金粉を塗込めたように変転して、遂に水晶殿の内部はすっかり金粉にいろどられた白い靄が充満され、その中心に巨大な柱が彌々金色燦然として光輝き、益々強く耀いて、遂に水晶殿は大御神光の坩堝と化してしまったかと思われた程でございます。そのため写真班と思われる二人の方の後姿も、ついに見えなくなってしまったのでございます。
 然もこの巨大な金柱の躍動は無限に上昇を続け、悠遠の大空にとどくが如く、金粉の白靄は全地球を抱き尽くすかと感ぜしめられたのでございます。鳴呼遂に大救世主様の大御威徳は、熱海の聖地に御顕現遊ばされ給いて、水晶世界の基盤は厳として確立せられたと拝察せられたのでございます。信者さん方も、初めは「オウ素晴しい御光だ」と皆さん互いに知らせ合い、通り過ぎようとする信者さんを呼びとめたりして、感動の面を輝かせつつ、有難い勿体ないと感歎の連呼でございましたが、遂に無言となり、皆さん御光を拝して只感激の涙に咽ぶのみでございました。
 六月十五日メシヤ御降誕仮祝典にいただけた無類の大感激に劣らざるこの一時に、熱気あふれて感涙に咽び、合掌に汗して身も魂も打震い、鳴呼、明主様、明主様と、只一筋に明主様、明主様、曇り多く深き私の罪を御赦し下さいませ、地上天国御建設の御用に御使い下さいませと、御祈り申し上げさせていただくのみでございました。
 次第々々に靄の晴れるに似て、御光は徐々に御隠れ給いて、すっかり拝めなくなるまでには幾何の時間が経過したものか、明らかではございませんが、実に長い長い時間のように感ぜられました(三分乃至五分間位と後で判断致しております)
 いよいよ水晶世界となる今日より、われよし信心、小乗信仰を打捨てて、新しく生まれ変った心になって、正しい信仰の道を進ませていただけるようと、心の底より御用に御使い戴ける人間にさせていただきたいと念じて、参上させていただきましたこの時に、大御神光を拝させていただけましたことのまことに有難く、謹みて御礼申し上げ奉ります。
 明主様何卒罪深きこの身魂を御赦し下さいまして、御用に御使い下さいますよう、跪伏礼拝御願い申し上げ奉ります。      

                                         

 (栄光293号(昭和30年1月26日発行)