食と農
B-11-2、その他の農業
「藺草の自然栽培」
“藺草(畳表)の栽培にも無肥料が宜敷いでしょうか。
“無論何でも無肥料がいい。無肥料なら丈夫で色がいい。
(「藺草の自然栽培」S24・4・28)
「米は米、藺草は藺草」
「藺草でございますが、反当り一万円の肥料を入れており、裏作として米を作るそうですが、米は一俵か二俵ぐらいでございます。そういう関係で少ないのでございますが、如何致しましたら宜しいでしょうか」
如何も何もありません。別々にするのです。米は米、藺草は藺草にすればよいのです。
「藁を切る必要はありませんでしょうか」
根本的に違っているのだから、そういう事は考える必要はありません。
「耕土を深くします事は」
深いも浅いもないので、根本が間違っているのです。両方を一つ土に作るという事が間違っているのです。だから両方とも良く出来ないのです。藺草と米を一緒の土に作ってはいかんという事を言って聞かせればよいのです。藺草は無肥料でやれば太くなります。
「熊本の方で無肥で致しておりますのは、初年目でございますが、長さは短かいが丈夫で、乾しあげた時に非常に目方がございます」
最初は短かくても、今に長くなります。そうして太くなります。それに畳にしても非常に丈夫で倍は持ちます。
(御垂示録20号 昭和28年5月1日)
「茶の栽培、山間地、煙草について」
“無肥料栽培に就て――、
1、お茶の栽培に就て、戦争中は肥料が無かった為無肥料栽培にて居りましたが、葉が繁茂せず、却って実が沢山出来ました。戦後、有肥栽培に致しました処、実は余り出来ず、葉が繁茂して参りました。元来お茶は葉を目的と致すもの故、有肥栽培の方が良いので御座居ませうか。
2、山間の土地を開墾致しますと、二、三年は無肥料で出来ますがの後は出来なくなりますが、如何なる訳で御座居ませうか。
3、煙草の葉は、無肥料にすると成長が悪く、専売局の調査の時められるので困惑致します。
“1、お茶だけは有肥の方がよい。葉が目的のもの、葉を目的のものは有肥にする。実を目的のものは無肥がよい。之は肥料の中毒の為である。
2、水の具合か太陽の具合かである。無肥料は連作ほどいい。山田――水が冷いのだと思ふ。
3、煙草は二、三年成績がわるい。四年目位に普通になる。その先は増産になる。
(「茶と肥料、山間地の無肥料、煙草」S24・7・1)
「鶏卵も一日三個に」
(前略)最近、四国の愛媛県ですかね。鶏が一日に十二個卵を生んだのがあつた。その鶏は、一カ月一日三箇平均は生んでいるんですからね。それを、大いに増やす手段を考えていると、ラジオでも言うし、新聞にも出てましたが、何う言う訳で、そうなるかと言うとね。今にそうなるんです。今迄に一番生んだのは、一日に一つですね。一年に三百六十箇――之が最高でしたが、今に一日三箇生む様になる之が最初の示唆ですよ。時々、度外れな作物が出来ますが、之は神様が、こうなると言う事を示してある。今の耕地面積で、一億になつても二億になつても平気なんです。 (後略)
(御教え集6号 昭和27年1月25日)