食と農
B-11-2-②、果樹について
「蜜柑の虫害も肥毒の為、その対策は・・・」
「和歌山県の方では、蜜柑には一カ年に反当り一万五千円の肥料を入れておりますが、樹齢は大体三十年から五十年となっておりますので、肥毒のために相当痛んでおりますが、昨年私が参りまして、一寸平均に草を置きましたら、大変お蔭をいただきましたが、虫害が非常にございます」
それは肥毒が残っているからで、しようがありません。
「一時消毒薬をやります事は如何でございましょうか」
それが又土にしみ込みますからいけません。
「やはり二、三年は辛抱いたしました方が宜しいのでございましょうか」
そうです。ただ蜜柑などは、根伸びを良くするのだから、土を固めない様にするために、相当深い所まで掘り起して、よく空気が流通する様にするのです。よく農業の方では空気を入れなくてはいけないと言うが、そうではないので、空気は入れなくてもいいが、土を固まらない様にするだけなのです。
「草を置きますと非常に柔らかくなります」
それは、草は随分湿り気をしみ込ませるから固まらないのです。固まるのは乾くからで、それを防ぐから柔らかいのです。
「虫がつきますので、販売価格が非常に落ちるため、農村経済としまして三年か五年の辛抱ができないというのでございます」
そんなに辛抱しなくても、一、二年でいいです。(中略)
「蜜柑の自然栽培五年目でございまして、昨年の暮に御献上させていただきましたが、非常に良い蜜柑が出来ました。以前に明主様に御伺いしました時に、そういう良い物が出来るまでの間は消毒薬が地にしみ込まない様にしてやっても良い、という御言葉をいただきました事がございますが」
それはいいですよ。しかしそんな事ができるわけはありません。つまり消毒薬が地にしみ込んで、又虫をわかせる原料になるのだから、それを防がなければならないが、そのために地にしみ込まない様にして、虫だけを殺す事ができるなら良いと言ったので、消毒薬をやれとは言いません。又そういう事ができるわけはありません。
(御垂示録18号 昭和28年3月1日)
「果実栽培、堆肥以外は不可」
“果実は如何でせうか。
“いゝですとも、何でも――何しろ薬を使ふと弱くなって了ふのです。人間も薬をのむととても弱くなるのです。然も化学肥料を使へば米が之を吸ひ、そして人間が喰べるので体が非常に弱くなるのです。――果実なんかも同じだが根の周りの土を固めてはいけない。冬の間に根の周りを掘って土を柔らかくしておくといゝ。春になると細い根から養分を吸って大きくなるのですから。――堆肥は使ってもいゝですよ。掘った所へ入れたらよい。堆肥は草の葉の方がいゝ。木の葉は繊維が固いから畑なら土の下へ一尺位の厚さに草の葉を入れ、更にその下に一尺位木の葉を入れたらいゝ。堆肥は熱を出し暖めるからいゝのです。魚の腐ったのや鶏の「フン」も極いけない。木の葉や草ならば自然でせう。そこらにもあるのですから、その自然がいゝのですよ。雑草はよく伸びるでせう。あれは無肥料だからですよ。(後略)
(御光話録 昭和23年10月8日)
「無肥四十年の蜜柑」
私は最近無肥料で、四十年間に及んだという蜜柑を作っている信者の人から献上されたので、早速食べてみたが、其美味たるや実に何ともいえない美味さで、到底筆や言葉で表わす事は出来ない生れて初めての旨さである。之に就ていつも果物や野菜を無肥料で作ったといって信者からいろいろ貰うが、成程普通のものより確かに美味ではあるが、何かしら物足りないものがあるようで、美味満点とはいえないが、之は全く土か種かに肥毒が残っている為であって、どうしても肥毒の抜け切る迄には、四、五年以上経たなければならない。それで初めて本当の味が出るのである。という訳で、若しも右の蜜柑のような純粋な無肥果実を店で売るとしたら、それこそ評判になって、どれ程沢山売れるか分らないであろう。又外国へ輸出でもすると、輸出額も他に見られない程の巨額に上るであろうから、国家経済にも大いにプラスになるのは間違いあるまいなどと、そんな事も思ってみたのである。処が近頃清浄野菜といって、人糞を使わない野菜を売る店がチョイチョイ出来たそうだが、成程蛔虫其他の寄生虫防止にはなるが化学肥料を使ふ以上、味はよくないに決っている。だから信者の中で其道に経験のある人は、無肥料野菜でも果実でもいいから、大いに栽培して売ったら、金の儲かる事は請合である。
併し単に金儲けばかりではない。自然栽培の実物宣伝にもなるから、一挙両得という訳である。どうです、信者の人で早速始めたらと思うのである。
(「無肥四十年の蜜柑」栄133号 昭和26年12月5日)
「果樹について」
(前略)果樹も同様で、特に柑橘類、柿、桃等は有肥のものとは較べものにならない程の美味である。(後略)
(「農業の大革命 清潔で心から楽しめる 家庭菜園の無肥料栽培」光3号 昭和24年3月30日)
「果樹や作物の剪定と摘芯について」
“果樹、瓜類等、収穫を良くする為に剪定及び摘芯を行いますが、是は反自然に思われますが、無肥料栽培に於ては、如何なもので御座いましょうか。若し差支えないとすれば、有肥の時と方法は同じでよろしゅう御座いましょうか。御伺い申し上げます。
“剪定や摘芯する事が反って自然である。植物は切られる事を喜ぶ。切った方が花もよく咲き、実もよくなる。勢いよくなる。
(「剪定と摘芯」S24・7・21)
「接木について」
“観音栽培でも果樹等に対し接木などは必要なものでしょうか。
“必要とか不必要というものでない。肥料の問題である。
(「接木」S24・8・ 「害虫で実らぬ木」
“私の家には相当数の柿の木があります。害虫が多くて昨年迄施肥及び消毒薬を使用致しました。樹が痩せて居て、実らないのが多いのですが、どうしたらよいでせう。又、こんな樹や土地を浄霊したら何年位でよくなるでせうか。御教へ下さい。
“肥料と消毒薬の為であるから、それをやめればよい。
(「害虫で実らぬ木」
「蜜柑の虫」
“私は蜜柑作りの青年です。蜜柑の木にルビーと言ふ虫が一ぱい居ります。如何したらよろしいでせうか。
“肥料をやめればよい。
(「蜜柑の虫」S23・10・26)
「隔年結果」
“蜜柑の栽培に就いて、隔年結果で困ります。如何にすれば毎年結実致しましょうか。
“果物は一年おきのものである。いくら巧くやっても一年おきに多くなったり少くなったりする。一日おきとか一月おきとかいうのはよほど意味がある。病人など一日おきに変ってゆく。いい場合も悪い場合も一日おきになる。之は四十八時間で一まわりするという意味だと思う。果物など二年で一区切りになるものといえよう。
一番、日当りのいい事、水切れのない事、土が固まらぬよう柔かい事、この三つが一番肝腎である。そして肥料をやらぬようにすれば実によく出来る。蜜柑など枝が混んで日当りが悪いと具合が悪いから、枝を切る。(専門家はよくやる)
(「隔年結果」年代不明)
「果樹の消毒」
“みかん園を経営して居りますが、無肥料、無消毒で良結果が得られますか。当地方で最近消毒にゴムホースの代りに真鍮管を設置してガソリンポンプでやる事が流行して来ました。斯様な事をしなくとも済む時が来ますか。
“消毒薬をするのは馬鹿々々しい事で、微生虫は死ぬが、土に吸収されていけない。土に滲み込むと酸性になり、植物がそれを吸収して害虫が生ずる。絶対無肥料にすると花落ちしない。美味しい。多収穫である。故に、蜜柑の木の周りを油紙で遮断して消毒薬をおくならよい。先に枇杷に寒肥をやるといいというのでやったら、それから枇杷が生らなくなった。それから私は肥毒に気がついたのである。近く雑誌が出る。霊界の変化により火素が増量の為、そういう変化が激しくなる。
(「果樹の消毒」年代不明)
「果実の肥毒」
“温室のトマトがカビ病にてすっかり病に負けました。消毒せず霊気のみで行ったのであります。今度同じ温室にメロンをつくりましたが、赤ダニがつきました。親子三人で霊気をかけましたが、こんどこそは完成したいと思います。如何しましたらダニがなくなりましょうか。御伺いいたします。
“肥毒が含まれているから早急にはゆかぬ。二、三年はかかろう。皆肥毒の為である。
(「果実の肥毒」S25・5・27)
「青果類の無肥料」
“青果物の栽培で有肥料と無肥料の場合を比較しますと、施肥栽培は芽がぐんぐん伸びて仲々よく結実致しますが、無肥料栽培は生育状態遅く、結実も遅くなり、果実の売行も悪く(時期遅れ)此の点何かよい方法はないものでしょうか。
“果物は神様が土の成分を吸うように作られている。それが肥料分を吸うように変化している。それをやめるから一時生育が止る。二、三年はやむを得ぬ。
(「青果類の無肥料」S24・8・」)
「咲かぬ梅」
“昭和二十二年冬、疎開先から現在の住居へ梅樹二本を植え、年々よく咲きましたが、今冬は二本の中一本は全く咲きません。一本は八輪咲いただけです。何かの前兆で御座いましょうか・・・。
“肥料がいけない。
(「咲かぬ梅」S25・2・17)