食と農
B-11-2-①、養蚕について
「養蚕について」
「養蚕も非常に骨を折つて飼つて居りますが、桑に肥料をやらなければ楽だそうです。それに糸質も良くなります」
糸質も、そうですね。だから之が分つたら大変なものですよ。日本はひつくり返りますよ。兎に角、日本人は全部頭を下げるよりしようがないですね。(後略)
(御垂示録4号 昭和26年11月5日)
(前略)それから養蚕ですが、桑に肥料をやらないと素晴しい物がとれます。この間の新聞に生糸に対する一大危機が来るというのです。それは今度アメリカで発見した新しい繊維はナイロンよりもずっと良い物で、これが出たらおそらく日本からの生糸の輸入の必要がないだろうというので、生糸の大打撃を受けるだろうと言ってます。アメリカでは日本の生糸を当(ア)てにしない方針に変えたという様な事が出てましたが、それに対抗するには無肥料栽培の桑を食わせるのです。そうすれば生糸の光沢から強靭な点において、素晴しい物になりますから、そうすればそれで対抗できるわけです。(中略)
「先ほどの養蚕の事でございますが、蚕を孵化させる場合に、薬品をつけるという事が全国的に行われており、それでいたしますと、一年に一度しかできないのが、春に一度済まし夏に又できるそうでございます」
それは絶対にいけません。自然にやらなければいけません。それは二毛作という事と同じになります。それで自然栽培の桑を食べさせると、蚕が丈夫になるからです。今までは病蚕が沢山出来ていたのです。それでその時に原因が分らないので、外の手段を考えて、それを続けているのです。
(御垂示録18号 昭和28年3月1日)
「無肥料の桑の葉で養蚕する」
(前略)茲で、最後に言いたい事がある。それは無肥料の桑の葉で養蚕すると、蚕は病にかからず、糸質頗る強靭で、光沢良く、其上増産確実であるから、之が全国的に実行されるとすれば、蚕糸界に一大革命を起す事は勿論で、国家経済上如何に大なる利益を齎すかは、蓋し測り知れないものがあろう。(後略)
(「土の偉力」自解 昭和26年1月15日)
(「蚕業の福音」革自 昭和28年5月5日類似)
「桑園に蚕糞使用は不可」
“桑園に蚕糞を使用していますが、如何でしょうか。又外のものを入れるとしたら何の様な物を使用したらよろしいでしょうか。御教導お願い致します。
“堆肥以外は絶対いけない。
(「桑園の蚕糞」S24・9・16)