食と農
B-10-6、分蘖について
「分蘖について」
「分蘖は土用の間だけすると言われておりますが」
大体そうです。然しそうばかりとは限らない。化学肥料の悪い事はアメリカで大いに研究されている。いずれ自然農法に関した本が出来るだろう。日本人は西洋人の言つた事は信ずるが、日本人の言つた事は信用しない傾向がある。
自然農法に関して、松井誠勲氏の言うには「西洋では実験して、はじめて知つたが、明主様は実験せずして御存知」とね。
肥料は体内に入ると毒素になる。日本の場合は糞小便の肥料が体内に入ると、薬毒程ではないが、やはり毒になる。
(御垂示録1号 昭和26年8月5日)
「分蘖を抑えるのは・・・」
「幼穂形成される時期に田の水を引いて分蘖を抑えるのは如何で御座居ましようか」
そんな事はしない方が良い。水は多くする。一番良い事は最も手数のかからぬ様にする。子供でもそうです。
(御垂示録1号 昭和26年8月5日)
「米糖・藁灰、分蘖について」
“一、無肥料で初めて米を作ろうと思います。苗代に米糠と藁灰を施肥してもよろしいでしょうか。
二、無肥料耕作では分蘖が少い様に見うけます。当地方では普通四、五本位田植えを致しますが、七、八本植えたら如何でしょうか。お伺い致します。
“一、米糠は構わぬが必要はない。藁灰はいけない。自然であるから何にもせぬ方がよい。
二、非常に分蘖は多い。
肥料をやると弱る。子供に薬を服ますと弱るようなものである。
(「米糖・藁灰、無肥の分蘖、八本植」年代不明)
「米の増産---穂から穂が出る」
(前略)私が以前神様から知らされたのは、最初出来た時は五、六粒しかなかつた。それが段々、人間が増えるに従つて粒が増えて来たのですね。今日の粒と言うと、平均百二、三十粒ですがね。それでも、今から千年位前は、生り方がもつと少なかつたんです。この半分位かも分らないですね。五十粒か六十粒かも分らない。そんな訳で、人間が増えるに従つて、生り方が増えていくんですよ。ですから、今の人口としては、もつと粒が多くならなければならない。多く生ろうとしても、肥料で止(ト)めてあるから生れない。粒が余計になるから、増産になる訳です。それで、粒が増産になると共に、穂に穂が出るんです。分蘖は根から出るんですが、穂から穂が出るんですから、幾らでも生るんですよ。今も読んだ通りね。凡て、そう言う事は、神様がやられているんですからね。人間許り増えて、食物が生らないなんて――そんな気の利かないものじやない。人間が気が利かない為に、切角神様が気の利く様にしてやつても、旨くいかない様なものなんです。で、無肥料栽培と言うのは、大変な効果があるんです。無肥料栽培でやつていくうちに解るんですが、今度の無肥料栽培の座談会にそんな事がありました。皆が不思議不思議と言つているが、不思議でも何でもない。当り前の事なんです。(後略)
御教え集6号 昭和27年1月16日)
(前略)今度の報告に、穂に穂が出ると言うのがありますが、之は本当なんです。自然栽培にすると、そうなるんです。今度も書いて置きましたが、今一茎に平均百二、三十粒ですね。上等で二百粒ですが、之が、穂に穂が出ると、三百乃至五百粒ですね。そうすると、三倍ですね。之は大丈夫です。そうすると、今の六千万石としても、一億八千万石か、或いはもつと増えるかも知れない。神様は――人口が増える丈づつは、生るのが増えるんです。(後略)
(御教え集6号 昭和27年1月25日)