食と農
「食」について
9、肉食と菜食について
「体の為には肉より野菜」
「肉食の害が白血球過多症を起すそうですが、肉の影響があるものでございましょうか」
あります。
大体肉というものは、食物としては年をとっているのです。
言わば野菜の方が若いのです。というのは野菜の方が土から生えるのですから原始的なものです。それで肉というのは動物から作られるから老廃物に近いのです。ですから白い物が増えるというのは理窟に合ってます。ところで肉食は滋養があるという事は逆になるわけです。これは完成した、年をとったものですから、人間が完成すれば年寄になるのと同じです。赤ん坊は若いものですから、植物がそういう事になります。だから植物を食べていると、一時は栄養が少ないようだが、その方が粗雑なだけにまだ活力を持ってます。そこで体のためにはその方が本当に力が強いわけです。それが真理ですから、この理窟さえ分れば何事でも同じ事なのです。未完成のものがだんだん完成になるという理窟が、何にでも現われてます。
そうして老廃して、それが亡びてしまって、それから又新しいものが生まれてくる。そうしてだんだん成育して、それが又老廃する。という工合に、循環して行くわけです。(後略)
(御垂示録20号 昭和28年5月1日)
「肉食者の内部は弱化する」
(前略)之までは米人の方が日本人より体力は優っていると誰しも思っていたのであるが、何ぞ知らん、今回の競泳によってみれば日本人の体力の方が優ってゐるという事実を認めない訳にはゆかない。とすれば此原因を充分突止める必要があらう。
実をいうと、第一は食物の関係である。それは米人の肉食多用に対し日本人の方は菜食が多い事実である。というのは肉食者は体力が外部に偏り、内部は弱化するのである。その事実として短距離の場合、米国は強いが、長距離になると日本人の方が強いのは、耐久力、即ち、息切れが少い点である。(後略) (「軽視出来ない事実」自叢十 昭和25年4月20日)