概論
8,各種症状と急所
8-⑭ 食欲不振について
「(中略)そうして食欲不振は発熱と吐痰と服薬の為である。」
(「病気の真因」明医一 S17.9.28)
「結核患者が最も恐るるものは食欲不振である。この原因に就て詳細述べてみよう。
医療は食欲を増進させようとし、消化薬の連続服用を奨めるが、これが最も悪いのである。何となれば消化薬によって一時は食欲は増進するが、それを持続するに於て、漸次胃が弱るのである。
即ち薬剤が消化作用の分担をする以上、それだけ胃の活動は鈍るのは当然である。その結果終に胃は弛緩するので、それが胃下垂である。又消化薬は一旦胃壁に吸収されても、時を経て一種の毒素となって還元し、それが胃壁外へ浸潤し、固結する。その固結が胃を圧迫して消化不良に拍車をかける事になるのである。(中略)
次に、世人の知る如く、発熱は味覚に影響し、食欲不振となるものである。又咳嗽及び吐痰薬毒等も食欲不振の原因となる。特に頻繁な咳嗽の為、睡眠を妨げられる場合、食欲に大いに影響するものである。(中略)」
(「食欲不振と羸痩」結正 S18.11.23)
「私は近来、目に見えて食欲が減って来たので、之は何処かに原因があるに違いないと思い、身体中を手で探ってみた処、後頭部に骨のように固い瘤が、四つ五つあるのを知って驚いたのである。(中略)
先づ之を溶かしてみようと思って、約二カ月位前から浄霊した処、段々柔かく低くなった処、頭の具合も非常に快くなったが、意外な事には食欲が一日増しに増えて来て、最近は初めからみると、悠に二倍になったので、大いに嬉しく思っている。茲に於て食欲不振の原因が、後頭部にあるという新発見した訳である(中略)」
(「食欲と頭脳」 S26.12.19)
「食欲不振は微熱による食物不味の為と、消化のいゝ物を食い、消化薬を服む為と、よく噛む等の為、胃を弱らすからであるが、何よりの原因は医師から結核と言われたり、結核らしく扱われたりする等の神経作用で、食欲に影響すると共に、絶対安静が拍車をかけるのである。」
(「結核附随病」結信 S27.12.1)