食と農

 

「食」について

 

8、胃を強く、健康にするには

「胃の健康を保つには」

 (前略)消化薬は不合理であるから出来得る丈避けて食物に於ても可及的普通食を摂らせるのである。そうすると、胃の抵抗を強め活動を促すから、水膿溜積を反対に、胃自身の力に由って積極的に外部へ向って圧迫し、排除する事になる。往年、食物医者の石塚某氏が流動食同様の物を摂取し居る患者に対し、直に沢庵と塩鮭の茶漬を奨め意外なる、効顕を奏した事を聞いた事が屡々あったのは此理に合ってゐるからである。

随って、胃の初期患者には、積極的胃の強健法を、奨めなければならないのである。夫には第一出来得る限りの運動と場合に依り一回又は一日位の絶食も良し、食餌に日本食が最も適当であって、就中(ナカンズク) 、菜の類の香の物で茶漬等が非常に効顕ある事は、余が実験上保證し度いのである。尤も香の物は、酸味の多い古漬が最もよく、先づ一日の中一食位の、香の物、鮭、干物等の茶漬を食ふのが、初期患者に最も良いのである。(後略)       (「日本医学の建設(二)一、胃病」光世3号  昭和10年5月21日)

 

「胃を強くするには普通食でいい」

(前略)胃を強健にし度ければ、胃をして大いに活動をさせなければならない。それには、特に、消化良き物を択ばず、すべて、普通食を摂取するのがいいのである。普通食は、自然に、人間の胃の活動に適合する様に出来てをり、祖先以来、それに依って立派に健康を保って来たのであるから、特に、牛乳を呑むとか、肝油を呑むとかは、如何に不合理であるかは判るのである。故に、万一、普通食を摂ってゐて、消化が悪るかったり、又は、胃に異常が生ずるとすれば、それは何れかに、間違った事があるのである。

例へば、運動が不足だとか、飯の分量や時間を決めて食ふと
か、薬剤を服用するとか、夫等の原因に由ってであるから、其原因を改めれば、必ず治るのである。胃病等に罹るべき筈のものではないのである。故に、胃病などになるといふ事は、私は不思議と思ふのである。(後略)     (「十五、薬剤の逆作用」医講  昭和10年)


「消化の良いものは胃を弱らす」

 よく医学が、栄養に関する注意に何々が消化が良いから食えというが、之が大変な間違いである、消化が良過ぎると胃の活動の必要がないから漸次胃は弱化するのである、随而消化の良いものを食い、消化薬を服むとすれば胃は倍々鈍化し弛緩する、それのヒドクなったのが彼の胃下垂であるから、胃下垂は誤まれる医学が作った病気である、又医学ではよく噛む事を可とするが、之等も誤りで胃の弱化法でしかない。
 故に、食物は消化の良い物も悪い物も巧くとり交ぜて食うべく神が造られたのであるから、消化不消化など問題にせず、喰べたい美味い物は何でも喰い、半噛み位にすれば胃の病など絶対起らない事を保證する。    (「消化に就て」救50号  昭和25年2月18日)


「胃の悪い人は、お茶漬」

 (前略)消化薬を服むと胃の活動が鈍るから胃は弱化する。従って又服む。又弱化するという訳で胃病の原因は胃薬服用にあることは間違いない事実である。慢性胃腸病患者が消化の良いものを食べつつ治らなかった際、偶々香の物で茶漬など食ひ治ったという例はよく聞く処である。(後略)               

                                     (「栄養の喜劇」自叢十  昭和25年4月20日)


 (前略)胃下垂と言うのは、薬の飲み過ぎなんですからね。

何時も言う通り、薬を飲み過ぎて、薬が垂れて来るんですからね。こんなものは何でもないですよ。それから、こう言う人はお茶漬を食べると良いんですよ。お香こをきざんで、それでお茶漬する。鮭でお茶漬ですね。そう言う風なものが割に良いんですよ。つまり胃下垂と言うのは、消化の良い物とか、良く噛んだりすると駄目なんですから、胃の悪い人は、お茶漬を食うんですね。それ丈で治ります。胃下垂なんかは、お茶漬で百発百中です。(後略)                  (御教え集6号  昭和27年1月16日)


(前略)真の健康体を欲するならば、一日一回お茶漬を食する事、お菜は香のもの、特に菜葉の漬物が良い。これを行えば、諸々の病毒を去り、健康体となる事を得る。特に菜食主義が一番よろしいのである。肺病又は諸々の薬の中毒等を去るにも至極よろしいのである。                           (「御講話」昭和10年4月17日)