食と農
「食」について
5、栄養の根本
「栄養の根本は食物の霊気」
今日の営養学上、ヴィタミンがどうとか、カロリーが幾許あれば
いいとか言ふことは、実は、枝葉末節の問題であって、営養の根本は食物の霊気其物にあるのである。然し、此霊気なるものは、試験管では測定出来ないものであるから、如何に研究しても今日の学問の程度では判らないのである。カロリーとかヴィタミンとか、蛋白とか、含水炭素とかいふ物は、実は、霊気を取除いた後の糟の如きものである。(中略)
人間の精霊を養ふには、食物の霊気であり、人間の体を養ふ物は食物の体である。然るに、人間の活力の根源は、霊気の充実にあるのである。体の強弱は、実は、霊気の充実と否とにあるのである。然るを以て、健康の根本は、霊の多量に含む物を食へばいい。さすれば、精霊の活力を益し、精霊の活力が増せば、肉体の強健を増すからである。彼の各種の滋養剤の如く精製されたものは、霊気が発散して、稀薄になってゐるから、精霊を養ふ力は殆んど無くなってゐる為、何程、滋養剤を摂ると雖も、活力は増さないのである。それよりも寧ろ、新鮮なる野菜の如き物を食す方が、どれ程賢明であるか知れないのである。
今日の科学は、霊を無視し、体のみに依って研究されたものであるから、間違ってゐるのである。最も判り易い、例へば吾人、人間である。手足や五体が心を動かしてゐるのではない。心が四肢五体を動かしてゐるのであるのと同じ道理である。
(「十四、真の営養学」医講 昭和10年)
「栄養にも霊的と体的とある」
"食物と健康について、一、大先生様は御朝食後甘薯を、御就寝前におしるこか御茶漬を御召
上りの由承りましたが、これはどの様な効果があるのでせうか。
"これは効果ってよりも、――つまり、私は栄養をとりすぎてるか
ら、あっさりしたもので調節するんですよ。私は却って栄養過剰
といふ事を心配してるんです。栄養の多すぎるのもいけないんですよ。栄養の少いのを喰べてれば人間健康ですが、今の人々は栄養過剰の結果病気になり、更に栄養を摂って益々栄養過剰にしてる、だから衰弱してしまふんですよ。
"そういふ食物には栄養が少いんでせうか?
"少いってより、つまり動物性でないから摂るんです。栄養ってものにも霊的と体的と両方あって、野菜なんか霊的ですが、魚だとか肉だとか言ったものは体的な栄養なんです。
二、病人が野菜を多食致します時、どんな野菜が一番宜しいでせうか。
"これは、その人が喰べたいものを喰べたらいゝんです。よく、何々は体に薬だから喰べたくないものを我慢して喰べるって事がありますが、あんなのは全く嘘ですよ。喰べたいって欲が起るのは体に必要だから喰べたくなるんです。喰べたくないってのは体に必要ではないか、或は喰べてはいけないんです。
人間の体ってのは実にうまく作られてゐるんですよ。
それなのに人間の方で間違った事をやってるんですよ。(後略)
(御光話録16号 昭和24年11月、12月)
「霊気の強いものが栄養」
"栄養食の摂取は病人に良いことと存じますが、如何なものでしょうか。
"医学の栄養食はより完成した食物で、人間の身体は完成した食物が入ると機能は働かなくてよい。未完成なものを完成せしむる働きが臓器であって――。(勿論極端に弱ってる時は或程度完成食物を与えてもよい)
果物など汁気のあるものがよい。(林檎より蜜柑の方がよい)医学は西洋人の食物や身体を元にしている。(胃の弱い人に餡こはいけないというが、之は西洋人にないから医学書にもない)大先生の方は霊気の強い事を栄養という。之は身体の力になる。日本は霊気が強いから栄養の強いものがあり、西洋は霊気が弱いから本当の栄養食はない。(洋菜など地霊が少い。松茸など最も霊気が強い)(胃潰瘍は流動物にする)
下痢の場合、便と相応したものを食わす。ジャガ芋など精力が少ない。汁気のあるのが栄養は強い。故に柑橘類など強い。(香りの高いものは強い)
(「栄養食総論」S23・11・18)
「栄養とは霊気の強いものをいう」
(前略)医学は外国人を基にしてゐるから、日本在来のもの、例へばアンコの様なものは病人に与へることを禁じますが、アンコなんかは材料は小豆で砂糖も入って居り非常に栄養はいゝのですがね。之は西洋にはアンコなんかないからで、医者の本にも書いてないから禁じるのですね。栄養とは私は食物殊に野菜の中の霊気の強いものをいふのです。野菜でも西洋のは霊気が薄い。日本の土地の方が霊気が強いから作物も強くなるのです。馬鈴薯なんか私は余りたべません。松茸なんか非常に強いのです。だから香りも強いのです。香りの強いものは霊気が強いと思ってよい。果物は香りがあり汁気の多いものが霊気が強い。柑橘類はいゝですよ。(後略)
(御光話録 昭和23年11月18日)
「米が一番の栄養」
(前略)すべて大自然の気候風土そのまゝに副って行くのが一番いゝんです。丁度、米の飯は年中食ってゝも飽きがこないでしかも一番の栄養になりますが、菓子だとか、酒なんてものは少しなら美味しいんですが、そればかりだとぢきに飽きてしまって栄養も悪いでしょ、そんなもんですよ。(後略)(御光話録9号 昭和24年)