食と農
「食」について
4-1、栄養注射の害
栄養注射の間違い」
(前略)最後に、栄養学中最も間違っている点をかいてみるが、それは彼の栄養注射である。元来人間は口から食物を嚥下し、それぞれの消化器能によって、栄養素が作られるように出来ている。之をどう間違えたものか、皮膚から注射によって体内に入れようとする。恐らく之程馬鹿々々しい話はあるまい。何となればそのような間違った事をすると、消化器能は活動の必要がなくなるから、退化するに決っている。即ち栄養吸収の機能が転移する事になるからである。先づ一、二回位なら大した影響はないが、之を続けるに於ては非常な悪影響を蒙るのは勿論で、之などにみても、全く学理に捉われ、自然を無視するの甚しいものと言えよう。
(「栄養」結革 昭和26年8月15日)
「栄養注射の害」
(前略)今一つ栄養学中最も間違ってゐる一事は彼の栄養注射である。元来人間は口から食物を嚥下し、それぞれの消化器能によって、栄養素が作られるやうに出来てゐるのに、之をどう間違へたものか、皮膚から注射によって、体内へ入れやうとする。恐らく之程馬鹿々々しい話はあるまい。何となれば其様な間違った事をすると、消化器能は不要となるから、退化するに決ってゐる。即ち栄養吸収機能が転移する事になるからである。先づ一、二回位なら大した影響はないが、之を続けるに於ては非常な悪影響を及ぼすのは事実がよく証明してゐる。(後略) (「科学篇 栄養」文創 昭和27年)