第五章 霊的知識を深める

 

3、祖先と子孫について

 

④ お墓について

                                 

「墓石に就て」

【お伺】墓石に自然石を用いるのは墓相学上よくないと聞いておりますが、墓相というものはあるものでしようか。


【御垂示】人間に人相がある様に墓相の可否も多少はある。自然石を墓石にするのは余りよくない。自然石は本来庭石などに使うべきもので、斯ういう事に使うのは理窟に合わぬからである。
  やはり墓には墓石の形にするのが本当である。霊によつては斯ういう事を非常に嫌うのがある。墓参に行くと祖霊が墓へ挨拶に来る。其時墓が法に適つていないと厭がるのである。霊界人は総て法則通りを好むので実に几帳面なものである。
  又黒石を大変嫌うが元来黒色は地獄とか悪魔を表徴するからで、天国は白色又は紫色で表わすものである。

                                                

  (教えの光 昭和26年5月20日)

                           

「墓について」

【問】「墓につきまして、個人名前の墓が幾つかあり、先祖代々の墓がありませんが」


【答】個人名前というのは戒名ではないのですか。


【問】「個人に作った墓で、特に良かった時代に立派なのを作ってあります場合に、それを先祖代々のに替える事は……石をけずりまして」


【答】それはよいです。早くやった方がよいです。それは非常に間違ってます。自分達ばかり救われて、先祖はないがしろにしているという事は大変間違ってます。先祖だけは個人のよりか大きい墓でなければいけないのです。さもなければ真中を先祖代々にして、そこに個人を並べて、それでもよいです。


【問】「そういう場合に、小さい雑なのがありますが、整理して宜しいものでしょうか」


【答】やり直してよいです。


【問】「整理して祖先の中に入れまして宜しいでしょうか」


【答】古い、少なくとも百年ぐらいたったものは先祖に入れてよいですが、そうでないのは、そうしてはいけないです。それから子供の墓はずっと小さくてよいです。それで大人の方は石に切りつければよいです。その順序を間違えないようにしなければならないです。


【問】「普通の家では、先祖代々のがあり、あと墓石は別に作りませんが」


【答】それでよいです。それも墓地の狭い広いで判断するのです。若し広いとすれば新しい仏は祀ってやらなければならないです。それも臨機応変に常識で考えていって、丁度よいというやり方でやるわけです。お寺参りに行く時には、御先祖は挨拶に出て来るのですから、その時にあんまり墓がひどかったり、もっとできるにかかわらず人間の怠慢でしないと、御先祖は面白くないから、“こいつはひどい奴だ、時々灸をすえてやれ”というので、御先祖が災難を与えたり、病気にさせたり、そういう事があります。ですから思いもつかない、お寺参りに行った帰りに電車が衝突したりという事があるのです。だからこれはやっぱり人間界と同じで、できる身分でやらないという事や、又その人の境遇やいろいろに合わないという事は、御先祖としても面白くないのです。又御先祖の中にも、怒リッポイのとそうでないのがありますが、怒リッポイのはお気付けとかそういう事があります。     

                             (御垂示録30号  昭和29年4月1日)

                              

「墓について」

【問】新仏の骨を埋葬する場合、祖先の墓と家の近くと二ケ所に分骨したいと存じますが之は宜しいでせうか。


【答】骨を分けるってのはいけません。髪の毛や爪なら分けるって事をしますがね、骨はいけませんよ。之は祖先の墓にまとめて埋葬すればいゝですよ。


【問】靖国神社や御寺等に既に分骨してありますのは如何致せば宜しいでせうか?


【答】もう分骨しちゃったのはそれでいゝですよ、仕方がないですからね。何も絶対的にいけないって言ふんぢゃないんです。然し、霊は死んでから暫くの間は分骨されるのを嫌がるんですよ。暫くは骨と霊線が繋ってるもんですから、分骨されると霊線が分散される様な形になり、霊の離れるのが遅くなって、随分暇がかゝるんです。そんな点でいけないんですよ。


【問】祖先の墓が沢山出来まして墓地が一杯になりましたので、整理致したいと存じますが宜しいでせうか。又古い骨は如何致すべきでせうか。又墓碑は一基で宜しいでせうか。


【答】えゝ、整理していゝです。そして墓は一基でいゝですよ。たゞ、面識のある霊の名は横に刻むんです、正面には「何々家先祖代々」を刻みますから。それが本当ですよ。それから骨はね、面識のない霊のは一纒めにしてもいゝし、面識ある霊のは別個にしておけばいゝんです。


【問】宗旨の違った寺に墓地を移転しても宜しいでせうか。


【答】余りよくありませんね。同じ釈迦の教へでも日蓮宗だとか真宗だとかいろいろありますからね。だから今迄ずっと続けてた宗旨から変へると、丁度居候だとか移民だとかみたいな具合でしっくり行かないんですよ。まあ、御寺がどうしてもないといった様に、已むを得ぬ事情でするんなら仕方がないですが、出来るだけやらない方がいゝですね。仏教から神道へ変へるなんてのは勿論いけませんが、仏教の中で変へるのはまあ元は同じお釈迦から出てるんだから絶対いかんとは言ひませんが、霊が窮屈だからなるべくやらぬ方がいゝですよ。


【問】新規に墓を作る場合、墓碑には左の何れを記入すべきでせうか。
            何  々  家  之  墓            何々家先祖代々之霊
        又、墓碑に戒名を刻むのは如何でせうか。


【答】「何々家先祖代々之霊」が本当ですね、それから戒名は刻んでいゝんですがね、墓の正面は今の様にして、横か裏に戒名を書くんです。その場合、霊の位に応じて正しく書かなければいけません。例へば、ひいおぢいさんを一番先にするとすれば、次にはおぢいさんそれからお父さんっていった具合にね。順序さへ正しくすればいゝんです。             

(御光話録9号  昭和24年)

                       

「印形や墓相に就て」

【お伺】印形や墓相によつて人間の運命が左右されると聞きますが事実でしようか。


【御垂示】印形とか墓相とかいうものは相当あたるものである。印を見るとその人の性格がよく表われている。従而その性格通り世渡りをするから、運命もそれに伴う道理である。墓石は違う。墓石は祖先と子孫を繋ぐもので、いわば霊界と現界の楔のようなものであるから重要なもので、墓石は墓石としての法則がある以上、それに外れ、法に適わない時は、運命にまで影響するのである。

                    

 (地上天国2号  妙智之光  昭和24年3月1日)

                         

「墓碑建立の常識」

【お伺】墓碑建立につきて常識的に留意すべき事項、例えば方向、形状、盛土の高さ、石の種類、植樹の可否等につき。


【御垂示】方向はどちらでもよい。その土地の地形によればよいが、本当から言うと北の隅で南向が一番よい。
  形状は普通の形でよい。自然石はいけない。形状は石屋の造る形でよい。盛土の高さは丁度拝みよい高さがよい。即ち一尺五寸位である。石の種類は白い色ほどよい。黒つぽいのは不可である。極く上等の墓は白大理石を用いる。植樹は墓に植える様な常磐木ならよい。余り高くなるのは不可である。即ち槇、モチ、カナメで特にシキミがよい。         

(教えの光 昭和26年5月20日)

                        

「墓前で善言讃詞」

【お伺】   祖先のお墓参りの時、墓前で善言讃詞をお上げして宜しいでせうか。


【御垂示】 結構である。非常に喜ぶ。仏界の念仏は意味なくなっている。

                           (講話集補S24・7・9)

                              

「墓参せぬ場合」

【お伺】私の母は三十年前父と別れ他家に再婚後死亡致しました。爾後同家とは交際なく然も遠距離の為、墓参も出来ませんが如何致しましたら母の霊は救われましょうか。


【御垂示】墓参せずとも、自分の仏様へ戒名を作り祝詞を奏げてやる。

                         (講話集補S25・1・16)

                     

「分家した場合の墓」

【問】「分家をした場合に先祖代々の墓は如何致しましたら――」


【答】先祖代々の墓は作るよりないではないですか。墓がないのですか。


【問】「高垣先生が亡くなられまして、先祖代々の墓はありませんので――」


【答】それは可笑しいな。其処の家の先祖代々の墓に祀れば良いのですが――。


【問】「分家なので――」


【答】分家でも構いません。


【問】「先祖代々の墓と先祖代々の霊と書くのは、どちらが正しいので御座いますか」


【答】霊の方が正しいのです。墓では、只墓の説明だから、霊の方が正しいです。霊でないと先は来られないです。    

                                 (御垂示録13号  昭和27年9月1日)

                       

「実家に納骨した妻」 

【問】謹みて、御伺ひ申し上げます。分家した者が、其の妻が死亡致しましたが、何分新家の事とて石塔も立たず、妻の実家の墓に納骨致しました。其の後、後妻を迎へましたが、先妻の子(男子二十才位にて肺結核にて死亡)との仲も良く過ぎていましたが、それから家庭内の経済状態と健康状態が悪く成って参りました。墓相学上からも悪いと言はれますが、一人息子の死亡と言ひ、主人の喘息と言ひ、何か霊的な因縁がありませうか。御教示下さいませ。御願ひ申し上げます。


【答】よくない。結婚した家の墓でなくてはいけない。道に外れている。先妻の墓へ納骨したのがいけない。やり直して婚家先の墓へ移さなくてはいけない。法や道に外れてはいけない。墓相の問題はもっと小さい。これが根本である。     

(講話集補 年代不明)

                              

「分家の遺骨」

【問】分家に出た者の遺骨を本家の墓に入れる事は霊的に見て如何でせうか。


【答】よくない。分家は分家で独立している。やむを得ぬ理由があればよい。                       

(講話集補S24・10・19)

 

                     

「墓場・墓石の清潔(印相)」 

【答】墓場は霊の別荘であるから、綺麗にしておかなくてはいけない。人間の住む所を綺麗にして――。戒名の沢山ある墓は「先祖代々之墓」とし、横へ戒名をつける。他人の御堂や墓など綺麗にすると、祖先が感謝される。今迄霊の事を徹底的に教へ、信頼し得る宗教はない。
  墓石は親より良い物を建ててはいけない。子がいい物を建てるには、親のをズーッとよくし、それから子のをよくする。向って右が上である。(先祖代々真中)墓石、白は天国、黒は地獄である。


(印鑑で運命をみる人がある)

 

水晶の判は滅びるなどいい、円い判を好む。栂はいい。

 

                 (講話集補S23・11・25)