第六章 正神と邪神

 

2、邪神について  

 

① 邪神の目的と狙い

 

(前略)邪神界の総頭領は、今から二千数百年前、世界の覇権を握るべく、周到綿密にして永遠な計画を立て、現在迄暗躍を続けつつあるが、正神界の方でも之に対立し戦ってゐるのである。其神としてはキリスト、釈迦、マホメット、国常立尊の系統の神である。

 

  以上の如く主神は正神と邪神とを対立させ闘争させつつ文化を進めて来たのであるが、其結果遂に邪神の方が九分九厘迄勝ったのが現在であって、茲に主神は愈々一厘の力を顕現され、彼等の大計画を一挙に転覆させ給ふ、之が九分九厘と一厘の闘ひであって、今や其一歩手前に迄来たのである。従って此真相を把握されたとしたら、何人と雖も飜然と目覚めない訳にはゆかないであらう。」                        

                                                             

(「悪と守護霊」昭和27年)

 

        

「邪神の根本的の計画」

 

 (前略)共産主義は何故無くなるかというと、根本が悪だから、悪のものはどうしても亡びなければならないのです。若し悪が成功したら、神様はないという事になります。

   共産主義でも、まだ知らない深い所があるのです。それは共産主義が或る邪神に踊らされているのです。それを自分では知らないのです。それは二千年以上前にマッソン秘密結社をつくったあの邪神で、そこで文化民族即ち世界を支配すべき民族をやっつけるには、これを弱らせるより仕様がないというので、その計画の下に考え出したのが薬です。それで毒を薬の様に見せかけて瞞まして人間にのませたというので、これが邪神の根本的の計画です。

 

それで、とに角二千年かかって、御注文どおりにヨーロッパはほとんど弱らせたのです。それで今まだピチピチしているのはアメリカだけなのです。そこでヨーロッパは一たまりもなくやっつける事ができるから、そうしておいて、一方それをやっつける方は体の丈夫な奴をうんと訓練して、つまりそういう民族をつくらなければならないので、ソ連というのはそれなのです。そこで労働者というものをああして集めて、それに非常に猛烈な訓練をして、要するに奴隷に教育して、ヒョロヒョロになった文化民族をやっつけて、世界の覇権を握るという計画です。(後略)

 

      (御垂示録17  昭和2821日)

 

 (前略)そこで世界制覇を目的とする邪神の赤龍黒龍という連中は、世界に勢力を張っている民族をできるだけ弱らせて、最後に武力をもってやっつけてしまい、世界を自分のものにするという事を、二千数百年前から計画を立てているのです。そしてそのとおりになって来つつあります。(中略) その手段というのが薬をのませる事です。薬でなく毒をのませて弱らせているのです。それで薬は非常に効き、病気をなおすものだという様に巧妙に瞞ましたのです。注射とか、手術というのは、みんな邪神の巧妙な計画なのです。(後略)」      

 

(「御教え集19号」 昭和2825日)

 

            

「第三次戦争は邪神の計画」

 

 (前略)色々な先の方の計画や何かも、大体神様の方から知らされてますが、それは大したものですよ。第三次戦争とか言つてますが、神様の方では第三次戦争なんか、之は今の――あれは邪神の計画ですからね。けれども、その喧嘩は必要なんですからね。必要だからさせるんですが、世界大戦なんか止()めるのは訳ないんだそうです。余り大きな事を言うと、誤解されますから、成可く言わない様にしてますがね。そこで病貧争絶無ですね。病気も貧乏も解りますが、戦争を止()めると言う事は、一寸人間じや想像もつかないんですが、でも大して難しい事じゃないらしいんです。(後略)      (「御教え集8号」昭和27323日)

 

      

「医学で人類を自由にする、邪神の目的」

 

 (前略) で、薬、医者はどういふ訳で出来たかといひますと、邪神が自分の思ふ通りにしやうといふ、陰謀的企みからそういふものが出来たんであります。古い話は今必要ありませんが、要するに西洋医学から出来たもので、西洋医学といふものは、猶太人が作ったものであります。

 

大体今日の科学は、今日の文明といふものはすべて猶太人が作ったもので、凡ゆる学問とか機械といふものは、猶太文明で出来たものであります。

 

  随而、今日の医学も猶太から出たものであります。猶太の奥の奥に世界を支配しやうとする一つの神があり、その神が自分が世界を乗とるのに就いて、世界の平和とか幸福を奪はねば、世界を奪る事が出来ぬ。それでそういふものを作った。(後略)

 

                (「御講話」昭和10511日)

 

 (前略)それじゃ西洋医学は誰が何の目的でつくつたかと言う事が、結局問題になりますが、之は大変な問題になります。之は人類を弱らせようと言う目的でやつている。それが医学です。そうして、病気が治る様に見せかけるんです。実に巧妙なんです。それが邪神のやり方です。

 

その仕事に二千年前からかかつている。そうして人間を弱らせ、人間の命を縮めて目的を達し様と言うんです。それを神様に暴露された。その暴露するのが私の仕事です。そうして、非常に妨害せんとしている。然しどうしても時期が来たんです。つまり邪神の計画ですね。それを、いずれ段々書く事になりますがね。そうして、一方では――邪神の方は人間の体を弱らせ、一方では戦争をつくつて、段々世界を掌握しようと言う大計画なんです。

 

それだけの意味ですが、勿論、正神の方は、そうしなければ文化は発達しない。だから、結局見方が三段になる。奥の奥の第一段は正神ですね。だから今迄はそれで良かつた。良かつたと言うより、そうするより外に物質文化は発達する事が出来なかつた。今からは、それが続いて行くと人類破滅の結果になる。だから、ここ迄来たので正神は止めて、本当の経綸をされるんです。(後略)」           

                                              

(御教え集2号 昭和2691)

 

 (前略)それは西洋医学というもので体を弱らせ様という邪神の目的なのです。なにしろ世界を制覇しようという目的をたてたのは、キリスト以前の二千年前からです。これはマッソン秘密結社で、これが根本になっているのです。それが邪神です。大体赤龍は共産主義で活動しているのです。それで一方黒龍は違う方の活動をしているのです。そこで私を裁判でやっつけ様としたのは黒龍です。ですから私は黒龍と戦っているのです。赤龍はわりあいに強くはないのです。私の方は金龍ですから敵(カナ)わないのです。ですから私に対しては大して活動してません。しかし黒龍の力は大したものでなかなかのものです。ですから裁判の時は検察官に黒龍の眷族がみんな付いていたのです。だから神と悪魔の戦いというものはなかなか大変なものです。それはいずれ書きますが、そういう様で西洋医学というものの根本にはそういう計画があるのです。医学の根本は黒龍なのです。そこで人類を救うにはそれをぶち壊さなければならないのです。それで私がこれからやる一番の狙い所は、医学の革命です。そして黒龍の大目的をぶち壊すのです。だから仕事の大きさというものは、まず世界的というよりか、むしろ世界始まって以来ないものです。」

 

     (御教え集18  昭和28126)

 

    

「医学で世界制覇を狙う邪神の計画」

 

 (前略) 邪神も昔は、戦争だとか――殺伐な事をやらせたが、今は邪神も頭脳的になつて――之をすれば社会人類の為だ。と言う様に、巧妙な理窟をつける。ですから、巧妙な言い方だと思つて――一生懸命やるんですが、こう言う事が良い事と思うから根強い――非常に力があるんですね。だから、その害毒は非常に大きくなる。之が最も怖い。医学ですね。医学もそれなんです。医学と言うものは、邪神がつくつたものです。そうして、邪神と言うものは、根本は、世の中を自分のものにしようと言う深い計画なんです。

 

そして、一番厄介なのは、本当の――正しい神様を無視する様に思わせる。之が一番、邪神の狙ひ処です。それですから、病気に罹るや、神様にお願いしたり、祈つたりすると言う事がない。一番怖いんですから、之を無くしなければならない。医学と言うものをつくつたのは、つまり神様なんか拝まなくても、薬とか機械で病気は治ると言う事を思い込ませようとして、今迄色々な方法を行つた。それにすつかり瞞された。段々それに瞞まされ切つてしまつて――偉い人達の心の底まで滲透して了つた。

 

それで、色々――唯物的方法で病気が治る様に見せ掛けるんです。注射したり、色んな事をすると、一寸は良いですからね。之を良いと思わせて――信用させていく。(後略)            

 

(御教え集3  昭和26101)

 

    

「邪神の計画は、医学による人間の支配」

 

 (前略)茲に注意すべきは、邪神の計画や行動といっても、戦争や暴力のみではない。凡ゆる分野に亘って、いとも綿密にして遠大なる計画の下に進んで来た事である。其中で最も成功したものとしては唯物科学であって、此唯物科学こそ、彼等の最大なる武器であって、之によって全人類に素晴しい恩恵を与えたと共に之を利用して信頼させ、最後には絶対権を握ろうとするのが彼の計画であって、其狙いは何と言っても、人間の生命を左右する事である。その意味から進歩させたものが現代医学である以上、徹頭徹尾物質的方法によって、病気を治そうとし、外面的には、如何にも治りそうに見えるが、内実は決してそうでないに拘わらず、彼等の智能は頗る巧妙に凡ゆる手段を尽して努力しているのである。勿論、方法としては機械、光線、新薬、手術等であり、又病理も微に入り細に渉って理論付けているが、此真相を看破し得た者は今迄に一人もなかったのである。(後略)

 

      (「九分九厘と一厘」 昭和2719日)

 

     

「世界制覇が邪神計画、その為の医学」

 

 (前略)本当の事をぶちまけて見れば、医学と言うのは、邪神が作ったものです。では、何故医学を作つたかと言うと、人間を弱らせるんです。それでヒヨロヒヨロにして、そうして最後の奥の手を出して、世界を制覇しようと言うのが、邪神の二千年前からの計画なんです。ですから、それで――さもさも進歩した様に見せて、之によって人間の生命は、医学の進歩によって解決されると言う様に、実に旨く瞞し込んじゃったんですね。ですから、治りそうに見えていて、結局治らないですね。健康にはならない。

 

之は信者さんは良く知っているけれども、あれはつまり――一時的一寸――注射をするとか、色んな手当てをすると、一寸一時的に良いですからね。さもさも治る様に瞞しちゃうんですね。瞞しちゃうと言つても、普通の人ではない――お医者さんが瞞されたんですね。お医者さんが瞞されて、一般人が瞞されたんですね。それを見破つたのが私なのですからね。邪神の方にとつては、私と言う人間は大変なんです。

 

そこで、色んな迫害や、色々妨害し様として――然し今度は、以前のキリストや何かの時代と違って、今霊界の方が変りつつありますから、邪神の方の力が弱って来て、結局往生するんです。邪神の力が弱った丈、こっちが発展したんです。だから、発展するか発展しないかは、邪神の妨害が多いか少ないかに因るんですから、立派なものだ――メシヤ教は、と。病気が治る、と腹の中で分っていて、どうも入る気になれないと言うのは、邪神が抑えているんですね。

 

その抑えが弱って来ると、段々入って来る様になる。やっぱり時期ですよ。一日々々霊界が違って来ましたがね。霊界が明るくなるのが、段々早くなるんですね。ですから、いずれ一般人が色んな病気で二進も三進も行かなくなりますね。お医者さんが、手をつけると直ぐ死んじゃうと言う事になる。今迄効いたと言う事は、固め療法ですからね。

 

  一時固まつたから良かつたが、段々浄化が強くなるから固らなくなって、直ぐ溶けるからね。浄化が起るから、直ぐ熱が出たり、痛くなつたり、色々する。で、直ぐに薬が溶けると共に、今度は命が直ぐに解けちゃう。そうなると、メシヤ教より他に救われるものはないから、と言うので大変なものです。もう長い事はないです。もう一息の辛抱です。大体、一生懸命宣伝したり、こっちで色んな事を言ったりして、じゃ入って見ようと言うんじゃ本当じゃないんです。先の方でお助け下さいとワンワン言って来る様でなければならないし、こっちの方で、そう一ぺんに来ては困ると言う位でなければ本当じゃないんです。(後略)

                                         

(御教え集5号 昭和261225)

 

   

「薬を飲ませたのは、邪神――神様です」

 

 (前略) 文明の創造で一番初めに、薬を飲み始めた処を書いてありますが、つまり原始時代に人間が段々増えるにつれて食物が足りなくなるので、山野にある物を何んでも取つて食べた。それから虫類とか貝類を取つて食べ、それに中毒をして痛むとか――苦しみ、それを治したい為に色んな草の葉や何かを考え出して、それで浄化を止()めたわけです。それが薬の始りです。それで一番色んな薬を発見して――要するに薬物というものを、一つの完成というか、させたのが盤古氏という人です。漢方薬の元祖です。それが素晴しく薬物を進歩させたのです。

 

 原始時代に身体が悪くなると、擦つて治したからクスリという言葉が出たという事で御座いますが――

 

  そういう事もあるでしよう。

 

 ユダヤ人は現在も薬を飲んで居ないという事を聞きましたが――

 

  そうでしよう。

 

 「一方ユダヤの隠謀としての、薬を飲ませて世界人類を亡すという事との関係は何の様な事で御座いますか」

 

  ユダヤ人には色んな種族があつて、そうして非常に信仰が強い種族があるのですが、之はユダヤ人の正統らしいです。薬を飲ませたのは、邪神――神様です。そういうのを私は書いてます。(後略)」   

 

(御垂示録13  昭和2791日)

 

 

「本教を医学で倒そうとしている邪神の計画」

 

 【問】前回「此のお道に未だ入っていない病人でも薬を使用している場合は御浄霊は当然中止せよ」との御言葉を頂きましたが、その場合薬の使用を中止させる事は世人の誤解を招き易いと存じますが、此点如何でせうか。

 

【答】これは難しい問題で、薬を服んでいては浄霊は出来ない。一番いいのはサンザ医者や薬をやってよくない人ならいいが、そこは相手によって臨機応変に処すればよい。邪神は本教を医学の方で今やっつけようとしている。」            

                                 

(講話集補 年代不明)

 

 

に見破られた邪神の計画---医学で人間を弱らせる」

 

 (前略)だんだん霊界が明かるくなるに従って邪神の方は大変なのです。七転八倒してます。つまり医学を利用して人類の健康を弱らせようという大謀略なのです。それを私に見付けられたのです。と同時に霊界がだんだん明かるくなってくるので、折角二千年以上かかってやった計画を一挙に覆えされるという断末魔にあるのです。そこで何とかして傷つけなければならないのです。というのは邪神の方では気付いてはいるのです。しかしそれを一日でも延ばしたいのです。それで中には降伏する者も相当ありますが、巨頭連が頑張っているのです。何とかして再び取り返そうというわけです。(後略)」  

 

(御教え集23  昭和2865日)

 

    

「メシヤ様の御位を下げたいのが邪神」

 

 「神は順序なりで人間の祭り方や想念によってちがう。位の高い神様も、下位の位に置かれると――。大先生様の御位を下げようとして邪神はいろいろ手を尽す。」  

                                   

(講話集補  S23

 

         

邪神の任務

 

 (前略)彼等の任務としては凡ゆる手段を講じて、人間を悪に悪にと導こうとする。

 

  それが今日の世相に遺憾なく現はれてゐるから厄介だ。而も其手段たるや実に巧妙残虐極まるもので、例へば下級の人間には殺人強盗とか、暴行とかいふやうな兇悪犯罪を行はせるが、少しマシなのになると詐欺や、貨幣、證券、書画等の偽造をさしたり、又婦女子などを言葉巧みに誘拐したり、姦通などを面白がったりする。其上になると余程高級で、善の仮面を覆って知謀的犯罪を行はせる。人の財産を捲き上げたり人を瞞して金儲けをさしたり、贈収賄、涜職、脱税、隠匿物資、闇の売買等は勿論、酒を呑ませ、婦女子を弄ぶ等も彼等の常習である。

 

  以上、何れも其行為が発覚すれば法に触れ犯罪者となるから、誰が目にも悪人に見られるがそれらと異なり善の仮面を覆らせ、悪を行はせる場合もある。之等は比較的中流以上に多く、特に智識階級に最も多いので、大いに注意を要するのである。例へば常に誰が目にも正しいと思ふやうな説や、何々主義などを真理と思はせるやう口や文書にかいたりして、世人に信用をさせ、蔭ではそれと反対の行ひをしてゐる。此種の人間は智識人で信用があり、頗る巧妙なので、其可否は一寸判り難い程である。之等は政治家や、名士論客にも多く、社会的相当の地位を占め、人から重んじられてゐる人もあるから、仲々油断は出来ないのである。

 

               

神見の善」

 

  又最も始末の悪いのは、善と信じて懸命に行ふ事が、結果に於て悪の場合がある。彼の五・一五や二・二六事件の如きもそれである。甚しいのになると、善なり正なりと信じ、命がけでやった事が、反対の結果になった偉い人達もある。先頃処刑された戦犯者なども無論そういふ側の人達である。茲で全然人の気の付かない罪悪がある。それは立派な学説と思ひ、それに身を挺して実行してゐるが、実は人類に禍を与へてゐるといふ気の毒な人達もある。以上説いた者は、何れも邪神が操っているのであるが、科学で固まった頭脳では到底判りようがないのである。」             

                        

(「邪神活躍」地19  昭和251225日)

 

   

「邪神は、人間の想念を狂わせる」

 

 (前略)此邪神の智慧も仲々馬鹿にはならないもので、いつも其時代の権力者を狙って憑依し、巧妙な理屈を作っては、其人間の想念を狂わせる。例えば正しい宗教に対しても、アノ宗教は邪教だからやっつけなければいけない。アノ宗教を作った奴は怪しからんから葬って了え、というように実に巧みに瞞し込み、而も非常に執拗である。キリストを十字架にかけたピラトなども其類である。

 

  右の様な訳で、世を救う善の力が強ければ強い程、邪神の方でもそれに相当する強い奴が腕を揮うので、私なども現在邪神界の方から目の敵(カタキ)にされている。彼等は何とか邪魔をしようと苦心惨澹しているが、どんな邪神でも私には憑依出来ない。

 

  というのは邪神は何よりも光を恐れるからである。従って信者の中でも誠の強い者に対しては、隙がないからどうしようもないが、アヤフヤな信者となれば、一寸した隙を狙っては憑依し、信仰を落そうとするし、又之から入信しようとする者でも何や彼や妨害して入らせないようにする。(後略)

 

          (「一種の罪悪」 昭和26117日)

 

 

「隙あらば信仰を落そうと、悪魔は狙っている」

 

 (前略)大抵の人が、最初観音信仰に入信した時、それは嘗て覚えない程、感激に溢れるものである。それは、今迄諸々の信仰に懲りたり、又、何程信仰しても、御利益がなかったり、又は、真理を掴めなかったりして、失望してゐる所へ長い間、求め求めて熄まなかった宝玉を、見当た様なものであるから、其歓びに浸るのも無理はないのである。

   然るに、此処に恐るべき危機が伏在してゐる。それは、悪魔が其人に対し、隙あらば信仰を引落さふと、狙ひ詰める事である。

 

  元来、此娑婆に於ては、昔から目には見えないが、絶えず、神と悪魔が戦ひ続けてゐるのである。其戦といふのは、大にしては国同志であり、次は党派と党派、階級と階級、小にしては個人と個人、今一層小にしては、一個の人間の心の中での、神と悪魔の戦、即ち善悪の争闘である。故に、最大の拡がりは国家間の争闘であり、最小の縮まりは、個人の心に於る争闘である。

 

   然るに、此心なるものは今日迄大部分は、悪に属し易かったのである。謂はば、悪魔の家来が多かったのである。然し、多くの人は悪魔の家来である事を、勿論、意識はしてない。何となれば、意識をすれば最早それは悪魔から放れる事になるからである。

 

  然し終に、神に救はれる人は、此無意識で悪魔の家来になってゐる人が多いのである。それは其人の盲目の眼の開く、可能性があるからである。それ等の人の無意識とは何か、それは其人の善と信じてゐる事が、悪であったり、正神と思って拝んでゐる、それが邪神であったり、真理と思ってゐる事が、不真理であったりする事である。そうしてそれが、救の光に依って、夫等誤謬の正体が、暴露する事である。

 

  然し、右は救はれる側の人であって、茲に絶対救はれない人もある。それは勿論、少数ではあらふが、はっきりした意識の下に、悪を行ふ人がある。又、悪を好む人もある。此意識的の悪人こそは、滅多に救はれないのであって、之は、最後の清算期に滅びて了ふ憐むべき人々である。

 

   茲で又、前へ戻って説明をしよふ。真の信仰を把握し、過去の誤りに目醒め、感激の喜びに浸ってゐる時、悪魔は己の家来を奪はれた痛恨事に、切歯するのである。よし再び彼を、己に引戻さずに惜くべきやと、其機会を狙ひつめる。故に此事に気の付かない人間は、何等かの折に触れて、迷ひを生ずる。それは多くの場合、親戚知人の親切な忠告や誠しやかな非難の言葉で、其人の心を乱さうとする。それは悪魔が其親切な言葉といふ、仮面を被って、実は其人を引堕す弾丸である。そうして其第一歩として心に間隙を生ぜしめんと努力するのである。其際余程確固不動の信念を有しない限り、成程、それもそうかなと思ふ。其刹那の想念こそ、実に悪魔の弾丸による、信仰の一部破綻である。此破綻は、例えば戦争の時、城塞の一角が崩された如なもので、其処から敵が続々侵入し、遂に其城廓全部を悪魔軍の手に帰する様なものである。

 

   心に悪魔軍が侵入した其状態は、斯ふである。それは必ず、信仰を離れさせるべき、いとも巧妙な理屈を作るものである。即ち其信仰の欠点を探さうとするので、それが悪魔の囁きである。其時は常識で批判すれば、馬鹿々々しいと思ふやうな事を、さも欠点らしく意識させる。そうして飽迄も其信仰を非なるもののやうに、理屈づけるが、それは実に巧妙極まるものであって、普通人には到底観破出来難いものである。そうしてさういふ時は、必ず本部へ接近させないやう、本部へ参拝しやふとする時は、些かの支障にも理由付けて、接近させまいとする。それは何故かといふと、悪魔は強い光を非常に恐れるからである。悪魔にとって光程恐ろしいものはない。光に遇ふ時、悪魔は其悪魔力が弱るものである。(後略)」 

 

(「悪魔の囁き」昭和11419日)