食と農

 

「食」について

 

11-1、陰と陽の食物について

「食物にも陰と陽がある」

魚は陽であり、野菜は陰で、鳥は陽であり、魚は陰である。是等をよく考えて、其人々の生活に当はめてゆけば間違ひないのである。男子は外へ出て、智慧や元気を揮ふのであるから、動物性食餌と植物性食餌と半々位がよく、婦人は内に居て体的活動が多いのであるから、植物性七分、動物性三分位が最もいいのである。近来、上流婦人にヒステリーが多くなったのは動物性を多く摂り過ぎる為めなのである。
  然るに病気に罹るや反って平常よりも肉食を多く摂らせるのは、病気に依る肉体消耗へ拍車をかける様なもので、大に謬ってゐるのである。
  天地間、森羅万象凡ゆる物の生成化有は陰陽の理に外れるものはない。昼と夜、夏と冬、天と地、火と水、男と女といふ様な訳であって、食物にも又陰陽があるのである。
  穀類で言へば、米は陽にして、麦は陰である。人種から言へば、日本人は陽で、西洋人は陰である。日本人が米を食ひ西洋人が麦を食ふのは此理によるのである。故に日本人は米を主食とするのが本当であるから、もし止むを得ざる時は、米より麦の方を少く食えば差支えないが、麦の方を多くするといふ事は不可である。--又植物性食餌を陰陽に分ければ、穀類が陰で、野菜類が陽である。野菜の中にも陰陽があって、根とか実とか、白色、赤色、黒色とか言ふものは陽であり、菜の類、葉の類、すべて、青色の物は陰である。大根の白い根が陽であり青い葉が陰である。故に理想から言へば、その時と場合に応じて陰陽を、按配よく摂取するのが理想的である。       (「日本医術に依る健康法の提唱(三)」東光7号  昭和10年8月16日)

  (前略)天地間、森羅万象、凡ゆる物の生成化育は、陰陽の理に外れるものはない。昼と夜、夏と冬、天と地、火と水、男と女といふ様な訳であって、食物にも又陰陽があるのである。
  穀類で言へば、米は陽にして、麦は陰である。人種から言へば、日本人は陽で、西洋人は陰である。日本人が米を食ひ、西洋人が麦を食ふのは此理によるのである。故に、日本人は、米を主食とするのが本当であるから、儻(モ)し、止むを得ざる時は、米より麦の方を少く食へば差支えないが、麦の方を多くするといふ事は絶対不可である。又植物性食餌を陰陽に分ければ、穀類が陰で、野菜類が陽である。野菜の中にも陰陽があって、根とか実とか、白色、赤色、黒色とか言ふものは陽であり、菜の類、葉の類、すべて青色の物は陰である。大根の白い根が陽であり、青い葉が陰である。故に、理想から言へば、その時と場合に応じて、陰陽を按配よく摂取するのがいいのである。
  魚は陽であり、野菜は陰で、鳥は陽であり、魚は陰である。是等をよく考へて、其人々の生活に、当て嵌めてゆけば間違ひないのである。男子は外へ出て、智慧や元気を揮ふのであるから、動物性食餌と、植物性食餌と半々位が良く、婦人は内に居て、体的活動が多いのであるから、植物性七分、動物性三分位が最もいいのである。近来、上流婦人にヒステリーが多くなったのは、動物性を多く摂り過ぎる為なのである。  

                         (「七、完全営養食」医講  昭和10年)