「茲で薬毒の症状に就いてかいてみるが、彼の天然痘に於ける掻痒苦であるが、之は掻痒苦中の王者である。此病気の原因は薬毒の遺伝であって、之が浄化によって皮膚から排泄されるのであるが、治ってからも醜い痘痕が残るので人は嫌うのである。処が種痘によってそれを免れるが、之で然毒が消へたのではない。只排除を止めたまでであるから、残った毒は種々の病原となる。その著しいのが彼の疥癬である。之に罹るや掻痒苦甚だしく、症状も天然痘と些かも変らない。つまり真の天然痘が急性であり、疥癬は慢性であると思へばいいのである。」 (「薬毒(二)」療講 S11.7.)
(「薬毒(二)」医革 S28.類似)
「掻痒苦は痛みに比して侮り難い苦痛である事は誰も知る処である。原因は勿論薬毒、然毒及び食餌中毒の三種であり、一般に知られてゐるものとしては彼の疥癬及蕁麻疹である。此原因は主に前者は然毒後者はカルシュウム注射、ヨード剤等である。疥癬は種痘に因る陰化然毒の浄化作用であるから、天然痘が急性なるに反し、之は慢性天然痘ともいふべきもので、短きは数ケ月長きは数ケ年に及ぶものさへある。(中略)
カルシュウム注射を行ふ場合も、時を経れば必ず蕁麻疹が発生するが、此病気は放任しておけば必ず治癒するのである。蕁麻疹にも種類があり、普通は無数の微粒が皮膚面に表はれるが、斑点、地図型等のものもあり、最初は紅色を呈するが、治癒するに従ひ黒色に変ずるのである。勿論紅色時掻痒苦があり黒色になるに従ひ掻痒苦は消滅する。之は疥癬も同様である。」
(「掻痒苦」天 S22.2.5.)
「(中略)近来新しく流行し始めた病気に疥癬及び重に掌の表裏、脚部上方より下方、足の甲、指等に、小は丸薬位より、大は大豆位のやや隆起せる白膿色粒が点々又は無数に出来、その一つ一つが痛むといふ症状がある。その痛みにも軽重の差あり、悪性は激痛堪え難く、患者は懊悩呻吟するのである。
そうして疥癬は赤色の小粒が全身的に無数に現はれ、掻痒苦甚しく、為に睡眠不能に陥るものさへある。而も疥癬と前述の白膿色粒併発の患者も相当多く、漸次蔓延の兆がある。
本療法によれば相当の日数はかかるが完全に治癒する。而も本治療は病原である保有毒素を外部に排出させる事によって全治するのであるが、不幸にして本医術を知らざるものは注射療法、温泉又は薬湯療法等を行ふが、之等は勿論浄化停止であるから、一時は皮膚面も治癒せる如くになるも、間もなく再発するか又は猛烈なる浮腫を起し、結局生命の危険にまで及ぶものも尠くないのである。
以上二種の病気に対しその原因を説くが、之は頗る意外とする所に病原がある。それは二者共その病原が頭脳にある事である、先づ患者の頭脳特に前頭部を診査するに必ず相当の発熱をみる。即ち頭脳にある固結毒素の浄化で、それが溶解流下し、掌の表裏又は手指の皮膚を破って排出せんとする。而も右の毒素は頗る多量なる為、治癒に時日を要するのである。(中略)
そうして此症状の毒素は三種に別けられる。即ち疥癬である赤色小粒は大体陰化然毒であり、それに蕁麻疹的薬毒の混合を見る事もある。豆状白膿色粒は洋薬毒の為激痛である。今一種は軽痛又は無痛で、特に壊疽状を呈し、皮膚は一面暗黒色となり、周囲に軽度の浮腫を見るが、此毒素は私の考察によれば癩毒と判断せられる。
それは彼の癩症と酷似せるからである。真症癩病は癩毒多有によるのであるが、之は少量保有者で局部的なる為看過せられるといふ訳で、此例として彼の霜焼も私はそれであると惟ふのである。
従而施術の場合、右何れの症状も手首、手指等に対しては頭脳を主とし、淋巴腺部を次とし、腕、患部といふ順序に行ひ、脚、足首、指等は鼠蹊部のグリグリ、腹部下端、腰骨部といふ順序でよいが、必ず其部には発熱と痛みがあり明瞭に判るのである。故に発熱が漸次解消するに従ひ治癒に向ふが、全日数は早きも一ヶ月、普通二三ヶ月、遅きは半年以上一ヶ年に及ぶものさへあるのである。」
(「頭脳の重要性」天 S22.2.5.)
「疥癬の原因は種痘の為である、種痘によって天然痘毒素の発生の力を弱められたので、毒素は緩慢な発生状態となる、それが疥癬である、故に重症疥癬は天然痘と同一症状であるに見て、疥癬とは慢性天然痘と言ってもよい、随而、種痘以前は疥癬病はなかった筈である。」 (「疥癬の原因」光23号 S24.8.20.)
「(中略)疥癬という皮膚病であって、人も知る如く全身的に湿疹が出来、猛烈な痒みがあり、激痛の加わる場合もある。重症になると豆粒大の紫黒色のブツブツが皮膚一面に表われ、其状態は天然痘そのまゝであるから、先ず慢性天然痘といってもいゝものである。而も此病気は非常に長くかゝり、軽くて一、二年、重いのになると五、六年に及ぶ者さえある。従って一、二週間で済む病気を、種痘の為に何十倍にも延ばす訳である。」
(「天然痘」結信 S27.12.1.)
「(中略)疥癬病は経験上地域的に流行するもので、(中略)それは、浄霊によって非常に効果があるからである。それは、完全に治癒する事、全然患部へ触れないから伝染の危険のない事、全快後、罹病以前より健康増進する事等である。
特に、此病気に注意すべき事は、薬剤塗布、又は薬湯等によれば、湿疹は速に消滅する。然し、之は治癒ではない。毒素排除を止めたのであるから、当然の結果として全身浮腫を生じ、肺及び心臓が圧迫され、生命の危険に及ぶ事は、吾々の屡々経験する処である。」
(「疥癬について」 S24.2.28.)
「(中略)(疥癬は、私が知つて居ります限りでは、顔に出ない様ですが、天然痘は顔に出ますが、・・)
本当言うと、顔と言うものは出ないのが本当です。身体の方が出るんです。と言うのは顔は始終晒しているでしよう。だから皮膚が強(コワ)くなつている。まあ、厚くなつている。手なんかも出ないのが本当なんですが、天然痘はそこから、反つて出るんです。一つの罪穢れ――そう言う点もある訳ですね。
薬が原因ですから、だからして薬を飲むと言う事が非常に悪いんです。だから、一つの――その苦しみと言うのがあるんですね。けれども、この通りに簡単に治るんですから、我々の方では問題にならない位のものです。だから、薬を止(ヤ)めて了えば、段々結局無くなつて了うんですね――天然痘と言うのはね。(中略)」
(「御教集3号」 S26.10.28.)
「(中略)浄霊を何十回何百回やるという事はかなり除れます。それから疥癬で体中カッタイボウみたいになりますが、それで相当除れます。疥癬の毒というのは天然痘の毒で、つまり古い毒です。つまり親の遺産で、その浄化です。ところが自分が生まれてから入れた毒が大変なものです。それで疥癬の時に痒いのは天然痘の毒ですが、黒豆のようなものが出来て痛むのは薬毒です。ですから疥癬でも薬毒も相当混るわけです。(中略)」
(「御教集29号」 S28.12.15.)
「(中略)疥癬の毒というのは天然痘の毒ですから、そこで疥癬は痒いのです。まず痒いのは天然痘の毒と思えばよいです。それから疥癬でも、痛いので黒豆のようなものが出来ますが、これは薬毒です。
ですから疥癬は天然痘の毒に薬毒が混って苦しむものです。それで毒によって、痒いのと、痛いのと、麻痺したのと、いろいろあります。それは自分のつけた薬やのんだ薬を考えてみれば分ります。それから何時も言うとおり、一番痛い毒は消毒薬です。(中略)」
(「御教集29号」 S28.12.16.)
「(御光を戴いて体全面にタムシの御浄化を戴き、続いて居ます。霊的のものか、体的のものでしょうか。)
これは疥癬である。田虫のような、天然痘のような、はしかのような、いろいろある。入信すると、霊の曇りが出る。故に信仰熱心になると疥癬が出るのであるから、霊的でもあり、体的でもある。信仰は、神秘探求が旺盛でなければならぬ。」
(「講話集補」 年代不詳.)
「(13歳の少女、顔以外の全身の皮膚に小豆大の白い斑点が出て毎夜掻痒苦に悩んでおります。普通の疥癬と違ふ様ですが、・・・)
之は普通の毒素は然毒であるが、その外に薬毒が混っている。」
(「講話集補」 年代不詳.)
「(疥癬は必ず出るものでしょうか。)
必ず出る。ただ薬を服まぬ人は少ない。心を包んでるのは人間の霊であり、その霊体の曇りが浄まると肉体の曇り(膿と毒)が押し出される。それが疥癬となる。」
(「講話集補」 S24.7.27.)
「(医者の言に依れば、栄養失調患者に疥癬が出ると云われますが、)
全然違う。疥癬とは天然痘の毒素である。天然痘の毒素即ち然毒の出るのを種痘で止める。然毒は止めても無くなるものでない。防ぎきりにはならぬ。種痘で止められているから、勢いがなくなり、チビチビ出るのである。故に、天然痘は急性であり、疥癬は慢性天然痘と思えばよい。」 (「講話集補」 S24.6.25.)
「(疥癬で右手足が腫れた所の浄霊法は・・・)
腫れた所と、特に頭を浄霊せよ。」
(「講話集補」 年代不詳.)
「(疥癬患者の顔面にむくみが来るのは浄霊が足らない故ですか。)
溶けて押し出されるのが普通で、浄霊が足りない為と、する人の力が足りない。顔だけでなく体中にゆく人もある。硫黄の湯で停めると浮腫(ムク)むが、内臓を圧迫するから危険である。天然痘の毒である。疥癬は慢性天然痘である。一旦種痘で停めても出さなくてはいけない。」 (「講話集補」 S23.11.27.)
「(56歳男子、疥癬の御浄化を頂き昼夜御浄霊を戴いて居りますが、むくみが甚しく、一進一退で、尿量も一日一升程度出て居りましたのが最近半減し、其の上便秘の為排便に非常な苦痛・・・)
疥癬は一時浮腫が出る。腹の中が溶けて皮膚から出るのが間に合はぬので、無理に出そうとするから苦しい。便秘は何でもない。(中略)」 (「講話集補」 S25.3.21.)
「(疥癬で針を刺す様に痛むのは・・・)薬毒である。洋薬で、痛みは全部薬である。」 (「講話集補」 S25.10.27.)
「(妻が中風で、右半身がきかなくなり、今の所右肘を体につければ箸を持てますが、肘を離すと人差指と親指が動きません。)
疥癬はよく心臓が弱る。非常に早く治るのと遅いのとある。腕の付け根から肩胛骨をよくすれば治る。眠れぬのは延髄によく固結がある。気長にする。」 (「講話集補」 S24.2.9.)
「(中略)疥癬は息苦しいのが特徴である。こういうのは枕を高くするとよほど違う。というのは、疥癬の毒はよほど多い。外部へ出るよりは内部で溶ける方が量が多いから浮腫む。それが心臓や肺を圧迫するので息苦しい。寝ると上の方へ行くから苦しい。起きてると下に行き、圧迫せぬから楽である。枕を高くすると下の方へ行くから楽である。(中略)」 (「講話集補」 S23.11.16.)
《浄霊》
手首、手指等:頭脳を主、淋巴腺部を次、肩、
腕の付け根から肩胛骨、患部。
脚、足首、指等:鼠蹊部のグリグリ、腹部下端、腰骨部。
※ 必ず発熱と痛みを確認。