〔湿性腹膜炎〕
「之も肋膜炎と同じく、湿性と化膿性とがある。(乾性はない)湿性は水が溜るのである。非常に膨脹して臨月又は臨月以上に大きくなるのがある。原因は腎臓の萎縮の為、余剰尿が滞溜する為と、膀胱から尿が尿道へ通過せんとする時、尿道口に膿結又は尿結が塞ぐ場合があり、その為尿の排泄量減少する為である。
医療は利尿剤を使用するが、之は最初は非常に効果がある事があり、殆んど九分迄治癒の状態が、俄然悪化する事がよくある。それは利尿剤に対する逆作用が起る為である。又穿孔して水を除るが、之も直に溜るのである。其場合前よりも必ず幾分多く溜るのである。故に回を重ねるに従って漸次膨満の度を増し、驚くべき大きさになるものである。斯うなったのは、もう生命は覚束ないのである。」 (「腹膜炎」医試 S14.)
(「肋膜炎及び腹膜炎」明医二 S17.9.28類似)
「(腹膜炎の患者、咽喉が渇き非常に水を欲しますが・・・)
腎臓が圧迫され、尿毒が溢れ溜って腹が大きくなり、水分を欲しがる。それが又溜る。」 (「講話集補」S23.10.23.)
「(中略)一番厄介なのは腹膜の水を取る事である。取ると暫くして同量溜る。又、取ると段々期間が短く多量に溜り、終には毎日取らなくてはならぬ事となる。故に取る癖をつけたらもうお仕舞である。水を取った癖のついたのは手を出せない。効果がなければ駄目とする。
肋膜の水は取っていい事がある。水が溜った場合、浸潤しても痰になって出る。
腹膜は腎臓と尿道へ行く道へ溜ったり膀胱へ入る入口へ溜ったりするから、それを溶かさぬと出なくなる。下腹部に一ぱい毒があり――。元は腎臓であるから、之を充分する。又、副腎をやる。膀胱も浄霊する。」 (「講話集補」年代不詳.)
「(湿性腹膜炎の患者、月一回一升位の水を取っていましたが、浄霊をするようになり(五ケ月)水を取りませんが、再び腹が肥大・・・)
水を取ると溜る量が段々多くなる。斯ういうのは溜る力が強く、なかなか浄霊がきかぬ。(一、二回のならいいが)」
(「講話集補」S24.1.28.)
「(中略)やってみる外はない。請合えない。腹膜の水を十回以上取ったのは駄目である。」 (「講話集補」S24.4.7.)
《浄霊》
湿性腹膜炎…1,腎臓、2,副腎、3,膀胱附近及び股(右)、
4,肝臓の周囲、背中の真中、5,腹膜部、肩、
※ 肝臓部が痛むかを査べる事、又下痢の患者は頭も浄霊
〔化膿性腹膜炎〕
「(中略)カリエスの膿は非常に多い人と少い人とあります。化膿性肋膜炎、化膿性腹膜炎なども之が原因であります。」
(「嗜眠性脳炎、脳膜炎、脊髄膜炎患者取扱」療講 S11.7.)
「之は毎日一回乃至二、三回位下痢し、実に執拗なるものである。数年続くものさへある。痛むのと痛まないものとがある。原因は化膿性腹膜の浄化作用であって、衰弱の為浄化作用が旺盛でない為、少しづつ下痢となって出るのである。」
(「慢性下痢」医試 S14.)
「(中略)爰に注意すべき事は、化膿性腹膜の患者である。之は、腎臓部のみ治療する時は多くの場合、平均浄化が発生して腹痛を起す事があるから、斯ういふ患者に対しては、腎臓部と共に、腹膜部も治療しなければならないのである。」
(「本医術の施法」明医二 S17.9.28)
「(中略)腎臓部に固結があれば、化膿性腹膜炎が必ずあるものであって特に結核患者は著るしいのである。」
(「肺結核治癒の過程」明医二 S17.9.28.)
「次に、化膿性は腹部が余り膨大せず、寧ろ固結性であるから、一見普通の腹部と思はれるので、医診に於ては、相当重症であっても発見出来得ない事がある。故に化膿性腹膜を肺結核と誤診さるる事さへあり、全く、事実とは思はれない程であるが、私は屡々経験して、愕(オドロ)いてゐるのである。尤も、化膿性腹膜に浄化作用が起った場合、其症状が、発熱、咳嗽、吐痰、食欲不振、衰弱、羸痩(ルイソウ)等であるから、肺結核と誤るのも或は無理はないかも知れないが、患者は不幸なものであると共に、医学の診断法を改善したいものである。従而、斯ういふ患者を私は、腹膜と腎臓のみを治療するに於て、肺結核が全治した例を、屡々経験したのである。
そうして、此化膿性腹膜は、誰もが多少とも必ずといひたい程あるのである。恐らく無い人はない位であらう。之は、指頭で診断すればよく判るので、それは臍の附近にグリグリがあるので、之は膿の固結であるのである。
そうして時々中毒するやうな、食事も摂らないのに腹痛があったり、下痢するのは、此固結の浄化作用である事を知るべきである。又、人により、何等の苦痛がないのもある。之等の人に対し指摘すると、驚く事がよくあるのである。
そうして腹膜に膿結のある人は必ず顔色が悪いので、私は、経験上、顔色によって、化膿性腹膜の有無軽重を識る事がある。そうして腹膜炎の原因は勿論、腎臓萎縮であるから、腎臓が治癒されない限り、絶対に治らないのである。」
(「肋膜炎及び腹膜炎」明医二 S17.9.28)
「(中略)次に、慢性下痢は数ケ年或は数ケ月に及ぶものさへある。医診は大抵腸結核といふが、之は既説の如く化膿性腹膜の浄化作用であって、原因は腎臓萎縮による尿毒が常に腹膜に溜結する為である。」 (「下痢」天 S22.2.5.)
「(中略)白帯下は殆んどの婦人にあり、(中略)医学は子宮が悪いといふが、之は誤りで子宮は全然関係がなく、実際は化膿性腹膜炎の毒素が、緩慢なる浄化によって溶解し、一旦子宮内に滞溜し流下さるるのであるから健康上可であり、放任すれば自然治癒するのである。但し注意すべきは、膣炎、膣痙攣、掻痒症等は白帯下の毒素による刺戟の為である。」 (「婦人病」天 S22.2.5.)
「又化膿性腹膜は、薬毒が膿となって臍を中心に、其周囲に溜結するのであるから、腹水の如き膨満はなく、反って普通より腹部は低い位である。之は押すと固い処が所々にあって、圧痛があるからよく分る。然し慢性は軽微の痛みと下痢であって、非常に長くかかり、治るのに数年掛かる者さへある。処が医療は薬で治そうとして服薬をさせるから、実は毒素を追加する事になるので、治るものでも治らない事になって了ふ。
そうして恐ろしいのは彼の急性腹膜炎である。此病気は急激に高熱と共に激痛が伴ひ、殆んど我慢が出来ない程で、患者は海老の如く身を縮めて唸るばかりである。医療は切開手術を行ふが、之は成績が甚だ悪く、近頃は余り行はないやうである。之も本療法によれば一週間乃至二週間以内で完全に治癒するのである。之は旺盛な浄化であるから青年期に多いのは勿論である。
そうして此化膿性腹膜といふ病気は、人により重い軽いはあるが、全然ない人は先づないといってよからう。茲で注意すべきは、よく禅や腹式呼吸、其他の意味で腹に力を入れる人は、そこに毒素が溜結し、腹膜炎が発り易いから注意すべきである。」
(「肋膜炎と腹膜炎」文創 S27.)
(「腹膜炎」医試 S14.類似)
「(中略)流産も霊的と体的あり、体的原因は化膿性腹膜である。」 (「死産、流産に就て」教えの光 S26.5.20.)
「(中略)腹膜の薬毒が溶けて下りるのが白帯下である。女は知っていた方がよい。腹膜のない人はない。腹には必ず毒が溜っている。薬を服んだ人は必ず腹膜がわるい。それが原因で卵巣とか子宮癌、痔、足痙(ツ)り、脚気等になる。下半身は浄霊すると治りいい。固まるのが少い。ハケ口に近いせいである。一番集るのは腎臓で、薬毒が腎臓附近に凝っている。飲み薬は腎臓へ来、外へ滲(シ)み出て固まる。その為小便の処理が出来ず、幾分溶けて下へ下りる尿毒が溜り、漸次背中の方へ溜る。スバコなど、腎と腰の間をやれば根治する。」 (「講話集補」S24.11.19.)
「(腹部の浄化、食事を頂きますと相当強烈な痛みが、霊的関係は?)
霊とは関係はない。浄化である。飯を食ふと痛むなら霊の関係ではない。慢性化膿性腹膜の塊で、腸に細くなっている個所があり、それで痛む。後方の腎盂が因であるから、そこを浄霊すれば治る。腹部の激痛はすべて腹の横をやればよい。」
(「講話集補」S25.2.22.)
《浄霊》
化膿性腹膜炎…1,腎臓、2,腹膜部及び臍の附近(固結や圧痛ヵ所)、3,腎盂、横腹、肩、
※ 顔色を見る