E-③ 胃 病 ③-2,胃 下 垂
(中略)水膿圧迫に由って疲労せる胃は消化薬服用に依り、食物の消化が容易となるから胃自身が活動する必要がないので胃の活力は、漸次衰退してゆくのである。(中略)のみならず此場合、消化のよき食物を摂取する事は胃の衰退に拍車を掛けるやうなもので益々胃は弱化衰退してゆくのである。近来、医家に於て消化薬を極力制限する傾向を見るのは寔(マコト) に喜ばしい事である。前述の如く、消化薬連続服用と、消化良き食物摂取の結果、胃は睡眠状態に陥り、終に弛緩する事となる、之を胃下垂といふのである。」 (「胃病」日本医学の建設(二) S10.5.21.)
「次に、胃下垂でありますが、原因は、消化薬を服みつつ柔い物ばかり食ふから胃が弱る。それで緊張が無くなるから弛緩し、下垂するのでありますから、「人為的製造病」であります。然し、胃下垂と言って来る患者で、事実下垂のものは十人に一人位であります。それは、実は、水膿溜結の大きいのが胃から腸の部分にあるので、それが下垂のやうに見えるのであります。
此症は、本療法で溶解すれば、一、二週間位で簡単に治るのであります。
又真の胃下垂は、食物の改良-即ち普通米飯食になし、薬剤を服まなければ短時日に治るのであります。」
(「胃下垂」療講 S11.7.)
「原因は胃部より腸部へかけて然毒、又は尿毒が溜結するので、それに圧迫され胃袋が長くなるのである。そうして、猶消化薬及び消化のいい食物を摂る為、胃の活動を弱らせるから胃が弛緩し、一層下垂の度を増すのである。」 (「胃下垂」医試 S14.)
「本来、胃の腑の役目は、嚥下した食物を胃自体の活動によって柔軟にするのにあるが、其役目を消化薬が分担するから、胃の活動力は漸次退化する。退化するから不消化になる。不消化になるから消化薬を服むといふやうに、悪循環作用となって、胃は漸次弱体化するのである。加ふるに一旦吸収された薬剤は、薬毒に変化し、胃中に還元されて胃壁外へ浸潤し、凝結するので、その凝結が胃の圧迫材料となって胃はいよいよ萎縮し、鈍化し、弛緩するので之が即ち胃下垂である。」 (「胃疾患」明医二 S17.9.28)
「次に胃下垂であるが、之も医療で作る事がよく分る。即ち消化のいいものを食ひ、消化薬を飲めば胃の活動の余地がないから、胃は弱って睡眠状態となり、弛緩するのは当然である。従って此病気を治すのは訳はない。薬を全廃して普通食を普通の食べ方にすれば自然に治るのである。之に就いても注意すべきは、よく噛むのを可いとしてゐる事で、之が大変な誤りであって、よく噛む程胃は弱るに決ってゐるから、半噛み位が最も可いのである。」
(「胃病と心臓病」医革 S28.)
(「薬毒(二)」医革 S28.類似)
「胃下垂-毒素に胃圧迫され平らになる。」
(「御講話」未定稿 年代不詳)
「(中略)胃下垂と言うのは、薬の飲み過ぎなんですからね。何時も言う通り、薬を飲み過ぎて、薬が垂れて来るんですからね。こんなものは何でもないですよ。それから、こう言う人はお茶漬を食べると良いんですよ。お香こをきざんで、それでお茶漬する。鮭でお茶漬ですね。そう言う風なものが割に良いんですよ。つまり胃下垂と言うのは、消化の良い物とか、良く噛んだりすると駄目なんですから、胃の悪い人は、お茶漬を食うんですね。それ丈で治ります。胃下垂なんかは、お茶漬で百発百中です。」
(「御教集6号」 S27.1.16.)
「(中略)胃下垂も人工病である。よく噛むと胃が弱る。若い頃フレッチャーズムを一ケ月位やって胃が弱ったのでやめた事があった。」 (「講話集補」年代不詳)
「(胃下垂になり現在下腹部が常に張り、空腹感が無く、喫食後の満腹感も無く、併し如何なる物も美味しく量に限度なく、遂に量が過ぎて後で苦しい思ひをします・・・)
腹膜があらう。浄霊で治る。腎臓から背中に塊がある。胃下垂の原因は胃薬と消化の良い物を食ふ為で、胃の活動力を弱らすに因る。」 (「講話集補」S24.8.18.)