概 論

 

4,医学の誤謬

 

1、薬の害について  

                

   解 熱 剤

「(中略)よく世間風邪を拗らすといふのは此理を知らないから、肝腎な発熱を醒す為なのである。又、肺結核の経過不良と、治癒に時日を要するのは、全く解熱剤服用の誤が、大なる原因をなしてゐる又、発熱は衰弱を増すといふ事を懸念するが、之も実は的外れであって、成程、衰弱を増すのは事実であるが、解熱に由る病状悪化の為の衰弱の方が、より大なるものがある事を知らなければならないのである。」                 
(「痛みと熱」医書  S11.4.13)

 

「(中略)尚又、解熱剤に因る解熱は、病原たる膿の解溶停止となり、治癒力を弱らせる結果となるのである。(中略)」
                          (「驚くべき肺結核診断の誤診」  S11.5.3)

 

「今一つ重要な事がある。それは解熱剤の反動作用である。(中略)これはどういふ訳かといふと、或病気に対して連続的に解熱剤を使用する場合、大抵一週間以上に亘ると、反動作用が徐々として起る事である。それは、解熱剤の作用に対し、反動作用が発生するのである。恰かも或物体を圧迫すると反撥力を起るやうなものであって、下剤を用ひる程便秘を起し、利尿剤を持続すると反って尿量を減ずると同一の理である。

 

故に、発熱するから解熱剤を用ひる。解熱剤を用ひるから発熱するといふやうに繰返すに於て最初三十七八度の熱が畢には四十度以上の高熱にさへなるやうになるのである。斯の如き場合、医家は原因不明の熱として大いに困難するのである。肺患者の執拗な熱は、右の如き原因が頗る多いのであって、解熱の目的を以て解熱剤を用ひ、その結果が反って発熱の原因を作るといふ事は、未だ気がつかない事とは言ひ乍ら、洵に恐るべきであると言へよう。」

                             (「発熱」明医二  S17.9.28)

 

「(中略)主治医が首を傾げ歎声をもらす事がよくある。今この理を説明してみるが、之は解熱法に対する反動熱である、勿論之は末期の症状であって、最初は微熱であるが、其当時無熱ならしめん為解熱剤を使用し一時的解熱はするが、翌日は発熱する。復解熱剤を用ひる、というように解熱剤を持続する結果反動熱が漸次強力化し、終に不可解な高熱となり、それにつれて解熱手段も漸次強化するといふ具合で、結局四十度位の高熱となるがこの場合医家は判断に苦しむのである。無論その結果急激な衰弱によって大抵は仆れるのである。(中略)」   
(「結核の原因」自叢一  S24.6.25)